2024年2月14日(水)からスタートするバリ州の「外国人観光税」徴収について、現時点でわかっていることをまとめます。
先週末 空港へ行く用事があったのでGAのGSやイミグレ職員など数名に尋ねてみましたが、みなさん「開始するのは知ってるけど、詳細はまだ知らない」と。バリ州専属の係員が対応するんですかね?
なーんか揉めそうな気がしつつ…問題なく、切り抜けられることを祈るばかりです(-人-)
この記事の目次
観光税の概要
詳細 | ||
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主旨 | バリ島の文化および自然環境の保護を目的として、バリ州政府が州税として徴収 | |
開始日 | 2024年2月14日(水) | |
金額 | 1人あたり Rp150,000 (1円=Rp100として約1,500円) | |
対象 | バリ島を旅行するすべての外国人観光客 ※乳幼児から高齢者まで一律同額 |
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支払方法 | バリ州から出国前までに、「Love Bali(ラブ・バリ)」の公式Webサイトまたはアプリ(iOS / Android)を利用してキャッシュレスで1回支払う ※現金払いは不可
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事前 | 渡航前に自国または第三国にて | |
到着時 | ングラライ国際空港 到着ロビーの特設カウンターにて | |
エンドポイント | ホテル、旅行代理店、観光地のいずれかにて | |
納税確認 | バリ州ングラライ国際空港およびブノア港からの出国時 | |
支払後にEメールで届く、QRコード付き「レヴィ・バウチャー(Levy voucher)」を提示 | ||
免除対象 | 申請不要 | 下記該当者は所持カード提示のみで免除(例:KITASカードなど)
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要事前申請 | 下記該当者は5日前までに、「Love Bali」の免除ページから申請書を提出すれば免除
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制裁措置 |
支払わない外国人観光客は以下の制裁が加えられる可能性あり
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「Love Bali(ラブ・バリ)」支払手順
VoAビザ保有者などの外国人観光者は、バリ州から出国するまでに1人1回お支払いください。
下記はPC画面ですが、アプリもほぼ同じです。
- 「Love Bali(ラブ・バリ)」の公式Webサイトを開き、[Pay Tourist Levy >]を選択します。
言語は英語のほか、インドネシア語、中国語、アラビア語、スペイン語、ドイツ語から選択できます。日本語はまだありません。 - フォーム画面内の「Choose Payment Method」から支払方法を選択します。
さらに名前やメールアドレスなど必要事項を入力し、[Submit >]をクリックします。支払方法はクレジットカード、銀行送金、バーチャルアカウント、インドネシア決済システムから選べます。電子決済のみで現金払いはできません。
この中ならクレジットカード払いが無難だと思います。銀行送金等は他国間につき手数料が高額になります(インドネシア国内の口座をお持ちなら安い)。 - クレジットカード払いでは、次画面の表示時に個々の番号が割り振られます。
カード情報を入力し、[Submit]をクリックします。 - 入力した内容の画面が表示されたら、確認後に送信します。
- 支払いが完了するとQRコード付きの「Levy voucher(レヴィ・バウチャー)」という支払証明がEメールで届きます。プリントするか、スマホなどでスクリーンショットを撮っておきましょう。
- バリ島入国時だけでなく、出国時にも提示が必要です。旅行中は破棄せず、必ず最後まで保存しておいてください。
以上です。
詳細説明
Memo Bali 読者の奥さんなら、もろもろ詳細を知りたいですよね?なんならツッコミたいですよね?
ニュースサイトに載っていた話も含めて、該当する項目のみ追記します。
主旨
◆バリ州知事通達
今回の地方規則はバリ州政府公式サイトに掲載されています。
・バリ州政府(インドネシア語):バリ島の文化と自然環境の保護のための外国人観光客への徴収金に関するバリ島地域条例2023年第6号
PDFの冒頭タイトルに「DENGAN RAHMAT TUHAN YANG MAHA ESA(全能の神の恵みによって)」と載っています。えぇ、神様がおっしゃるなら施行せざるを得ませんね、神々の島だもの。
◆税収の利用法
文化および自然環境の保護を目的としていますが、税収の利用方法についてはまだ検討中です。
学者や専門家の多くは、交通渋滞の解消や廃棄物の処理など直接的な影響をおよぼすものに使うよう促しています。
目先のことだと、徴収に協力する観光地や宿泊施設に対して報奨金を考えているようです。
・BaliPost(以下インドネシア語):
外国人観光客に直接恩恵をもらたす課税を / 目標は700万人の渡航、ゴミと渋滞問題に直面 / 知事代理が協力企業へ奨励金を検討
ただ、公共交通機関や道路整備に関してはインドネシア中央政府の方針もあるため、州政府だけでは判断が難しいところ。道路は、国道・州道・県道・村道・私道があり、大きい道はほぼ国道なんですよね。北部空港に関しても今回の選挙の争点の1つになっていますし。
はてさて、どうなることやら。
開始日
インドネシア総選挙と同日にしたわけでも、ましてやバレンタインデーにあてたわけでもありません。
ずばり!プダンドゥ(高僧)が選んだバリヒンドゥー教のHari Baik(良い日)だからです!!
サラダ記念日風にいうなら「この日がいいね とプダンドゥが言ったから 二月十四日は観光税開始日」。
ヒンドゥー民ならおわかりかと思いますが、良い日は数日後すぐ来ることもあれば、しばらく来ないときもあります。なので、何が何でもこの日に始めないといけないのです。もし半年先とかになったらさすがにマズいでしょ。たとえアプリに不具合があってもトライ&エラーで修正してカバーしていきます。不具合<<<<良い日
余談ですが、先日のチャングーショートカット開通日もそうです。たいていバリ島内のスタートは選ばれし日。えぇ、神々の島だもの。
金額
先述のバリ州知事通達によると、当初はRp150,000スタート。3年に1回ほど見直しされる予定です。
納税額が多くなれば、1人単価が下がることもある…のでしょう、たぶん。
できれば子供(12歳以下?)は免除になると家族連れが渡航しやすいかなーと思います。
◆VoA免除はいつ?
いや、その前にVoAの免除はどないなっとんねん!ダブル課税やないかい。やるやる詐欺やぞ(急に大阪弁風)。
二国間協議に基づく相互免除を行ってるはずなのにねぇ。インドネシアが課税し続けるなら、日本も短期旅行者のビザ免除を解除すべきだと思います。インドネシアの富裕層、今めっちゃ日本行ってるぞ。
支払方法
バリ島へ出発前に「Love Bali(ラブ・バリ)」システムを利用して電子決済することが強く推奨されています。
が、当面はングラライ国際空港の到着ロビーにも特設カウンターが設置される予定です。
また、大きなホテルや旅行代理店、観光地などで「Love Bali登録はお済ですか?」と聞かれるようです。観光税を払ってないとホテルが利用できないわけではないですが、何度も聞かれるかもしれませんね。うぜぇ。
・BaliPost:外国人観光税のポリシーが各国インドネシア大使館に通達
◆観光税を払うとお得に?
Love Bali登録により、今後は観光地やホテルで割引優遇などが受けられるようになるとのことです。
現時点ではサービスを開始しておらず、何もありません(爆)ないんかーい!
・BaliPost:観光税は導入されるが観光地割引はまだない
あてくし、この「相互に利益をもたらす」「お互いがちょっとうれしい」という仕組みが大好きです。ただ、それを実装したために不具合が起こるなら当面は地味な運用で良いかなと。
納税確認
◆ングラライ国際空港からの出国者のみ
最終的な納税確認はングラライ国際空港およびブノア港からの出国時になります。よって「インドネシアから」ではなく、「バリ州から」出国前までに1回支払う必要があります。
国際空港の入口あたりにチェックポイントを置くのでしょうか?各航空会社のGSはコロナ書類のチェックのようにやらないですよね(あれは各社の搭乗規定だったからな)。
これ、国内線でジャカルタを経由して国際線乗継、陸路での移動は対象外だそうです。
以前このブログで「国内空港だとどうやって外国人とインドネシア人を見分けるのでしょうか」と書きましたが、チェックする手段がないんですって。
ただし、免除ではなく、払う意志がありつつも確認できない方のみです。支払う意志がない場合は制裁対象になる可能性があります。ありますが、この抜け穴はバリ州政府のせいなので、実行するかは未知。今後解決策を検討していく予定です。
・BaliPost:観光税導入前に数々の障害が存在
免除対象
在住ビザを持っていても「バリ州のために払いたい!」という方は、免除せず払ってもらって構いません。
ただ確認の必要がないだけです。チェックポイントで見せても「ありがとう」と言われるぐらいかと。
いっそ、ゴールデンビザをお持ちの方は大盤振る舞い!…はできませんね。1回で15万ルピアしか払えない仕組みですから。
制裁措置
総領事館ページに書かれているとおり、当面は未払い者に対して厳しい態度で挑み、制裁措置を行う可能性もあると各国に通達しています。ただし、今後はルールを見直し、緩和していく予定です(まだ始まってないけどw)
1月初旬のテスト開始から本稼働前までに9,220件の登録、約14億ルピア(約1,300万円)の納税がありました。今年2024年の外国人訪問者数は700万人を見込んでおり、潜在的な収入は1兆ルピア(約100億円)に達すると見られています。納税目標は全体の60~70%だそうです。ひっく!
・BaliPost:外国人観光税スタート、試験期間で14億ルピア生み出す
繰り返しになりますが、払う意志がない人、反抗的な態度を取る人、その他文化を尊重しない人などは容赦なく罰せられます。
あくまで払う意志がありつつも確認できない方のみお咎めなしです。
懸念点
あてくし、気になる点が1つ…。
バリ州知事通達や複数の記事を確認したところ、適用されるは2/14から。
ただ、「この日の入国から」とはどこにも書かれてないんです。そして納税の最終確認が「出国時」。てこたーよ、すでに滞在している方が2/14以降の出国時に請求される可能性もあり??
これ、総領事館のよくある質問(Q2/A2)に、「支払いの必要はありませんが、トラブルを回避するため、2月14日以前にバリに到着したことを証明できるように、ボーディングパスや入国日の押された入管のスタンプ等は提示できるように」と書かれています。州政府から各国への説明はこうなってるんですね。
・在デンパサール日本国総領事館:バリ州の外国人旅行者に対する観光税関連情報
万一請求された場合は、自身で提示して、英語などで説明しないといけません。
旅行者だと結構キツそうだなぁと心配になりますが、大丈夫でしょうか?
これから卒業旅行のシーズンですしね。学生さんは念のためクレカ1枚ご用意を!
みなさまが、混乱なくスムーズに出入りできますように。
長くなりましたね。
では、ごきげんよう。
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