バリ島「Anjin Bali(バリ犬)」Memo Bali

Rahajeng warsa anyar 2024
2024年 あけましておめでとうございます

(松の内さえあけたけども)

ハイ!新年早々、子犬が門の下をくぐって入ってきましたー。
ぜぇぇぇーったい誰かに捨てられたんだと思います。うちを狙って。だって行き止まりの路地の9軒目なのに、途中の家に入らずトコトコ歩いてきます?裏の水路からだと子犬単独じゃ無理ですし。

実はこれで3匹目です、子犬の置き去り。1年半で3回なので半年に1回ペースですね。

歴代の置き去りわんこたち

1匹目

バリ島「Anjin Bali(バリ犬)」Memo Bali

2022年9月のとある朝。
うちの1つ手前のコス(アパート)にいる猫が当時どんどん繁殖してて、その子猫の1匹が鳴いてると思ったんですよ。いつまでも鳴きやまないので様子を見に行くと、我が家の塀の脇でうずくまったバリ犬の女の子がか細い声でクィーン…クィーン…。
そのとき1つ奥の家は建築中で作業員みんな犬が禁忌のイスラム教徒。手前のコスも全員イスラム教徒につき、「お宅で飼ってあげて」と。ま、そうなるわな。

かかえあげて観察してみると、歯がまだ生えかけ。犬は生後8週間あたりで乳歯が生え揃うと言われてるので、6~7週=1ヶ月半ぐらいでしょうか。歩くのもおぼつかない感じ。歩き方がおかしいから捨てたんかい?てか、歩いて来られないんだから明らかに置いたろ?

バリ島北部に住む親戚が「飼いたい」と言ってくれたので、3週間お世話して渡しました。
うちにいるときからミルクやご飯の用意が待てないほどの食いしん坊で、スクスク育ち、しっかり歩いて走れるようになりました。
今も毛艶がよく、元気に、畑で鶏たちの見守りをしているそうな。

ランキングに参加しています。「いいね!」と思ったらクリックお願いします。

2匹目

バリ島「Anjin Bali(バリ犬)」Memo Bali

2023年5月のとある午後。
鶏たちが一斉にバタバタ騒ぎ出して何事かと。見に行くと鶏小屋の檻の横で伸びをしていたそうな。彼らに突かれなくて本当に良かったー。闘鶏は気性が荒く、普通の犬だと簡単にやられちゃいます。うちの先住犬(日本では口に出すのがはばかられる犬種「キンタマーニ犬」の男の子)でさえ近づきません。

前回よりほんのり大きいバリ犬の女の子。たぶん生後3ヶ月ぐらい
当時、あてくしは帰国中。家人が世話できないため(すでに鶏10羽、犬1匹)、すぐ近所のバリ人友達宅へ引き取られました。
その後、数回様子を見に行ってますが、毛色が薄くなって白地×ベージュのぶちに。触ると骨を感じるほど細くて、ちょっと心配ではあるものの元気。

なお、犬の肥満度を確認する「ボディコンディションスコア(BCS)」などに関しては、下記を参考にどうぞ。

・いぬのきもち:【獣医師監修】犬の肥満度チェックと対策について

3匹目

バリ島「Anjin Bali(バリ犬)」Memo Bali

今回のわんこです。2024年1月のとある夕方。
先住犬がものすごく吠えるので様子を見に行くと、車の下でおびえてまして。手を伸ばしても届かず、エサと口笛でおびき寄せて捕獲しました。

生後2ヶ月半~3ヶ月ぐらいのバリ犬の女の子です。前々回よりは大きく、前回よりは小さいです。
1日ですっかり慣れて、楽しそうに遊び、安心して寝ています。何年も住んでるツラして。

引き取り手は現時点で見つかっていません。数人に声をかけたものの、すでに飼っている人ばかり。一時は「犬いない?」って時折聞かれたのに。タイミングですな。
このまま見つからなければ、うちの犬になるでしょう。2匹までは受入れ可能ですが、それ以上無理でぇぇす。

◆儀式の生贄犬

今回は捨てた方の気持ちがわからなくもないです…。
バリヒンドゥー寺院の大きな儀式で生贄にされる「Asu Bang Bungkem(アス=犬、バン=赤、ブンケム=沈黙)」に該当するようにみえますから。体毛が赤茶色(縞模様ありなし可)で、マズルと尻尾が黒色の成犬を指します。
アスバンブンケムの場合、デサ(村)から指名されたら、ヒンドゥー教徒は差出すことを拒否できません。「犬自身にカルマがあり、生贄になることで来世は位が上がる」と考えられています。そして儀式の魔力に耐えられるように子犬ではなく成犬です。

が、この子は尻尾の先が真っ白だもんねーー。鼻の上も白いしーー。かろうじてセーフ!(のはず)
ある程度育ててから取られるって切ないですね。考えただけで涙出てくらぁ。

・BALI EXPRESS(インドネシア語):アスバンブンケムの意味 ←閲覧注意!!!

女の子犬ばかり

捨てられるのは、生後3ヶ月未満の女の子犬ばかり。
子犬はねぇ…見てる分には可愛いですが、世話するのが大変ですよね。臓器が未発達で、膀胱が小さいため頻繁におしっこやうんこをしますし、胃も小さくて食事回数多め。夜中に何度も起きて面倒みることも。歯が痒いのと好奇心でいろんなものを噛みまくりますし。
女の子が多いのは今後 妊娠出産で増えるのを恐れてだと思います。あとバリヒンドゥーは男尊女卑傾向ぎみ。

先住犬

バリ島「Anjin Kintamani(キンタマーニ犬)」Memo Bali

見て見てー。我が家の先住キンタマーニ犬の男の子は、生後1ヶ月半でバンリ県バトゥール村(原産地スカワナ村の隣)のブリーダーから来ました。
柴犬や秋田犬などと同じく原産種につき、自立心が強めで頑固な気質。しつけがめっちゃ大変でした。トレーニング2回頼みましたもん。ただ、賢いので覚えは早かったです。
成犬になった今のほうがだんぜんラク。言えばだいたいわかります。警戒心はあまりなく友好的。犬好きな人には尻尾ぶりぶり。上記写真は3ヶ月のときですが、これから約10倍の体重になりました。

島内で犬のしつけにお悩みの方はトレーナーさんに相談してみては?
どちらも人気でなかなか予約が取れませんが。

Bamboo Dog Hotel(英語)
Pelatih Anjing PABA

蛇口閉め活動を

子犬、かわいいよ、子犬♡
本気でかわいいです。とーってもかわいいです。
ただ……捨てんなや!ぼけぇぇぇーーーー(#`Д´)ノ

誰かが保護してくれるからいいや。
保護してくれなくても手放したからいいや。
犬がケガしても死んでもどうなってもいいや。
それって、ヒンドゥー的にドーサ(悪行)を背負うんじゃないでしょうか。
個人的には犬神様も猫神様もいると思うんですけどね。万物に神が宿る島のはず。

そもそも島内に犬が増えすぎています。それも放し飼いで未避妊・未去勢の犬が。
あてくしが初めてバリに来た25年前もたしかに犬はいました。自由に、やる気なさそうに、寝そべって。多頭飼いしてる方もいました。
でもこれほどじゃなかったはず。今や地域によって、朝夕は道やビーチに犬だらけ。夜も犬だらけ。

狂犬病、流行中

現在、島内で狂犬病がめちゃくちゃ流行ってます。
2023年11月までに動物咬傷事故は報告があっただけで62,672件。うち6件が狂犬病の陽性反応。
政府によって無料のワクチン接種が行われていますが、無料だからこそ順番を待つ人が多数。しかも山林内などの野犬はなかなか捕まえられず、感染を抑えられない状況が続いています。

・BaliPost(インドネシア語):バリ島の狂犬病症例は大幅に増加。ワクチンは2024年半ばまで確保

記事にもチラッと書いてありますが、狂犬病はかつて島内になく、国外(在住外国人の飼い犬)から持ち込まれました。たった1匹から、今やこの数に!

不妊手術と家飼いを

このまま自然に任せておくと、それこそネズミ算式に増えかねません。犬の場合、発情期があるのでネズミほど爆発的には増えないと思いつつ。
犬飼いにできることは、これ以上増やさない=蛇口閉めではないでしょうか。

◆不妊手術

ブリーダーでない限り、飼い犬に避妊や去勢を施してあげてください。子犬がどんどん増える可能性がなくなります
もし不妊手術をしないのであれば、生まれた子供は責任もって飼うか、しっかりと譲りましょう。捨てないでぇぇ!!!

うちの先住犬は比較的早い生後6ヶ月でタマタマ取りしましたよ。じゃないと賢いので自力で門をあけて、または運動能力が高く塀を飛び越えて、メス犬めがけて脱出するとトレーナーから聞いたもんで。どんだけすごいん?

ちなみに猫も、うちの隣のコスが母猫1匹からはじまって、一時は30匹以上に増えてびっくり!今は減って10匹程度になりました。残りはいずこへ?
猫エイズもあるので、できるだけ不妊手術したほうが良いと思います。

◆家飼い

狂犬病が増えてる今、郡(Kecamatan)や伝統村(Desa Adat)によって、「犬を自由に走らせない」という条例が制定されつつあります。
キンタマーニ犬の原産地であるバンリ県では68村中42村で施行されています。家人の実家の北部テジャクラでも「道沿いであまり見かけないなぁ」と思ったら、紐でつないで飼うという決まりがあるんだとか。
ただ、これは田舎で村民が少ない、かつ、外国人が少ない場合に限り、守られるんじゃないかと。統制がとりやすいですもんね。

・BaliPost(インドネシア語):バンリ県のほとんどの村に狂犬病規制がある

野犬が増えた理由の1つに、コロナ禍で帰国せざるを得ない外国人が置いて行ってしまった、というのもあります。きっと本意ではなく、やるせなかったはず。ただ残された犬猫も気の毒だなぁと。

できることから

普通に考えて、観光地なのに狂犬病が流行ってるとか、南国ビーチに犬だらけとか、ちょっと怖いですよね?
言わなきゃバレないかもしれませんが、犬にかまれたり、犬が苦手な人にとっては「事前に知りたかった!裏切られた!」となるはず。
観光でもってる島なので、何かしらの改善が必要でしょう。てか、どんどん捨てられても困るし(怒)

動物を飼っている外国人在住者ができることをできる範囲でやっていきませんか
「バリ人だってやってないじゃーーん」とか言ってないで、ね。
もちろん、すでに実践なさってる方も多いと思います。あてくしなんかよりずっともっと。

instagramでフォローしているぱんはな家さんの保護活動は本当にすごいです。見るたびに頭が下がります。もうね、90度どころか135度ぐらい下げたいもの。それぐらい、犬と向き合い、大事なことを発信して暮らしていらっしゃいます。

うちは2匹で「もう無理~!」と言ってて本当に申しわけないのですが…。
今後、保護が必要ないほど適正数になるように、それぞれができることからコツコツと。

では、ごきげんよう。

One Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です