ちょっと奥さーん。
またしても目を離した隙に、インドネシアのビザ制度が変わりましたよ。
今回の変更は「数次査証(マルチプルビザ / Visa Kunjungan Beberapa Kali Perjalanan)」です。

何度も出入りしたい方にとっては超ぉぉぉ朗報!
ここ1年で新設されたセカンドホームゴールデンビザに比べると取得条件がほとんど(まったく)なく、申請料もVoAやシングルビザに比べて安いです(日割りすると)。あてくし、思わず二度見しちゃいましたもん。表示金額、間違えてないですよね??

マルチプルビザの概要

12/20(水)インドネシア法務人権省・移民総局は「最長5年間有効の数次査証(マルチプルビザ)を新政策として発効する。観光目的(D1)およびビジネス目的(D2)の2種。これにより外国人はインドネシアへさらに入国しやすくなる」と発表しました。
有効期間中は回数制限なく出入国可能です。ただし、1回の入国につき最大滞在期間は60日間です。

・入国管理総局(プレスリリース):ビジネスおよび観光向けに5年間の数次ビザを発行(英語 / インドネシア語
・電子ビザ:MOLINA / マルチプルビザ(英語 / インドネシア語

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申請は公式サイトからオンラインでできます。各国の大使館・領事館や、インドネシア国内の入国管理局へ出向く必要はありません。
必要事項を入力し、書類を添付して申請。入国管理局による書類確認後、支払コードが送られてきます。Visa・Master・JCBなどの各種クレジットカードまたはSIMPONIから支払います。入国管理局が入金を確認・承認したら、最長4営業以内に発行されるとのことです。

電子ビザ:MOLINA(申請) / オンラインビザ承認(英語 / インドネシア語

マルチプルビザの種類と詳細

下記、入国管理総局の公式サイトから抜粋しました。
ビザの仕様や条件等は予告なく変更される場合が多々…ものすごく頻繁にあります。取得予定の方は入国管理総局またはエージェント等に必ず事前にご確認ください。

  詳細
有効期間 6ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年(最長)の6種類
滞在期間 入国日から最大60日間(ただし入国管理総局が許可した事前投資ビザ所持に限り最大180日間)
取得費用 承認手数料:20万ルピア(1申請ごと)
ビザ手数料:300万ルピア(1年あたり)
活動範囲 有効期間中、回数制限なく出入国可能
観光
(D1)
  • 観光
  • 友人・家族訪問
ビジネス
(D2)
  • 商談:ビジネス契約、話し合い、交渉、署名等(生産者/販売者に対する活動の監督は不可)
  • 政府関係者の訪問:特定地域の訪問、公務員としての義務を果たすため
  • 会議:インドネシアの本社または駐在員事務所が開催する会議の参加
  • 商品の購入:買付(生産者/販売者に対する活動の監督は不可)
  • コンベンション、展示会等:インドネシアで開催される展示会等に講演者やプレゼンターとして参加
  • 動画制作:インドネシアでのムービー等の撮影(事前認可済み)
提出書類
  • 合法な外国籍パスポート
    • 6ヶ月の申請は少なくとも残存期間12ヶ月以上
    • 1年の申請は少なくとも残存期間1年以上(以降 申請期間+1年)
  • 2,000米ドル以上または同等の生活費の証明
  • 他国への往復または往路の航空券
  • 最新のカラー写真(4×6cm)
申請方法
  1. 入国管理官総局のWebサイトまたはMOLINAから必要事項を入力し、書類を添付
  2. 書類確認後に支払コードが送付される
  3. Visa・Master・JCBなどの各種クレジットカードまたはSIMPONIによる支払い
  4. 承認後、ビザ発給(ダウンロードするためのリンクが電子メールで送信)
※支払い確認後、最長4営業以内に発行
必須事項
  • ビザ条件と法律の遵守
  • 地元の習慣、文化、知恵を尊重
  • 滞在中の十分な生活費の確保
注意事項
  • 滞在許可期間中、禁止活動の参加やビザ条件・法律の非遵守の場合、罰金・強制送還・その他 法的犯罪に問われる可能性あり
  • 商品やサービスの販売は禁止
  • インドネシア国内での就労は禁止

他のビザと比較

シングルビザは更新すると高額

シングルビザ(Visa Kunjungan)は観光目的だと初回60日間で150万ルピア。更新30日間ごとに50万ルピア、最大180日間滞在。てこたーよ、半年間で350万ルピア、1年間で700万ルピアですよね?(計算苦手だけど合ってる?)
観光以外では60日間で200万ルピア、180日間は600万ルピアです。てこたーよ、1年間で1,200万ルピア。
最長180日で、その後出国が必要。何度も行き来する予定があるなら、マルチプルのほうがお得かと。

・入国管理総局:シングルビザ(英語 / インドネシア語

VIPビザは滞在期間制限なし

セカンドホームやゴールデンビザなどVIPビザは取得条件がかなり厳しく、富裕層しか手にできません。
そのぶん、取得後は優遇されます。有効期限内であれば好きなだけ滞在可能です。また入国時には他のVISAホルダーのように長蛇の列に並ぶことなく、特別レーンにてスムーズに手続きできます(滞在許可と再入国は自動付与)。
また取得費用はセカンドホームが1人あたり5年間で2,100万ルピア、ゴールデンビザは5年間で1,300万ルピア、10年間でも1,950万ルピアです。ゴールデン、意外とお得?

・入国管理総局:セカンドホームビザ(英語 / インドネシア語

マルチプルビザのデメリット

長期滞在したい方にとって、マルチプルビザの最大のネックは最大滞在期間が60日間のみですね。約2ヶ月ごとにどこかへ出国しなければなりません。燃油サーチャージが高額な時期は渡航費用がかさみますなぁ。
とはいえ、「出国と入国の日付が異なる必要がある」とは書かれていないので、LCCを利用してベトナムあたりにビザランすれば安く済むんじゃないかと。

あと、パスポートの残存期間がビザの有効期限プラス1年間。最長5年間で申請するには、残存期間が6年間ないといけないようです。長くね?もちろん5年有効のパスポートでは5年分は申請できません。

ちなみに取得費用は1申請20万ルピア、1年ごとに300万ルピアです。よって1年間なら320万ルピア、2年間なら620万、3年間なら920万、4年間なら1,220万、5年間なら1,520万です。
半年は書かれてないのですが、どうなんでしょう?170万かしら?

リタイヤビザは60歳以上に

友達から聞いて知ったんですが、リタイヤビザ(E33F)の対象がしれっと60歳以上に変わっています。以前は55歳だったそうな。すでに取得済みの55歳以上は更新可能ですが、新規は60歳以上。
しかも申請料金は1年間でUS$150+2,700万ルピア。自力申請はできず、指定エージェントのみ。その他、家政婦の雇用や保健の加入などさまざまな条件が付きます。


インドネシアは観光立国(ビザ収入増・観光客による経済発展)を目指しているのと、来年の総選挙(駆け込み改善と票集め)に向けて、かなり施策が流動的かつ突発的になっています。各自のタイミングで良さげな波に乗ってくださいね。

では、ごきげんよう。

4 Comments

  1. 有益な情報をいつもありがとうございます!
    気になったのですが、マルチプルビザで年間183日以上滞在する外国人もいると思いますが、所得税の納税はどうしているのでしょうか…?
    租税条約的にはインドネシアで全世界所得に関して納税が必要になると思いますが、KITASなしでNWPWは取得できないですよね…

    1. すがさま
      コメントありがとうございます。
      日本とインドネシアは租税条約の「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための協定」により、「双方居住者で個人以外のものを租税条約の適用上いずれか一方の当事国の居住者に振り分ける規定」と「租税条約は二重非課税の機会を生じさせるものでないことを明らかにする前文の規定」が適用されますよね。
      ・財務省:
      https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/mli_indo.htm

      よって、どちらかの国で確実に納税すれば、もう一方での納税は免除されるはずです。
      たとえばNPWPを持っていない方は、年間183日以上の滞在でも日本で確定申告すれば良いかと。
      もしくはインドネシアの税務署に出向いで相談!NPWP持ってなくても喜んで受け付けてくれそうですけどねw

      1. ご返信ありがとうございます。
        おっしゃるとおり、日本で確定申告するのが安心ですね。
        今度インドネシア行ったときに聞いてみたいと思います!
        インドネシアはビザなどの制度がよく変わるので、情報たいへん助かっています。
        今後ともよろしくお願いします!

        1. インドネシアでは税務署に直接乗り込まず、まずは詳しそうな友人知人などに聞いてみたほうが良いかも。
          いや、確認は大事なんですが、個人で行くとカモネギ状態になるかも・・・手ぐすね引いて待ってそうですからw
          ちなみに私の周りでは、会社オーナーの方々は税理士を通して納税、会社勤めの方は会社を通じて納税、リタイアVISAの方は自力申告なものの他の収入がなければ特に納税なし、が多いです。

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