久しぶりに舞踊ネタいきまーす。
昨年に続き、ウブド在住オランダ人ロベルト氏の68thバースデー記念特別公演に潜入しました☆
1年前の様子はMemoBali フェイスのブックでどうぞ。
・説明:1)、2)
・ショート動画:1)、2)、3)、4)、5)、6)、7)
今年はプリアタン村のペンデット(歓迎の舞い)、バトゥアン村のワヤンウォン・ガンブー(最古典奉納舞踊劇)とジョゲ・ピンギタン(古典舞踊/チャロナラン)でした。
ガンブーとジョゲ・ピンギタンは古典中の古典で、バリ島内で演じられる楽団が数えるほどしかないと言われています。オダラン(寺院建立祭)を除いて、観光客が目にする機会は稀。かくいうあてくしも2回しか観たことがありません。
そんな貴重な演目を選んでくださるロベルト氏って…ありがたい!ありがたいYO!来年も行きたいWA!
古典について語るほどの知識はなく。
スカール先生の荷物持ちとして同行したついでに、控室でクトゥッ先生を中心にメイクシーンを撮影させていただきました。
備忘録として工程を載せておきます。
こちら、スカール先生の娘スリちゃんの完成形メイク。美すい~♡
バリ舞踊のメイクやヘアスタイルは、地域・演目・登場人物の役柄(キャラクター)によって異なりますし、個々の顔立ちでも陰影や強弱の付け方が変わってきます。
より本格的なメイクに近づけるには、腕の良いメイクアップアーティストに自分の顔の特徴に合ったやり方を1度きちんと教えてもらうのがベターでしょう。
以下、あくまで参考程度にご覧くださいまぺ(各写真をクリックすると拡大します)。
外国人がまんま真似したところで、なぜか違う結果になっちゃうことも…。・゚・(ノД`)・゚・。
まぁ日本人とバリ人では目や鼻の形に差があるから仕方ないんですけどーー。
こちら、スカール先生。トペン(仮面舞踊)マエストロのジマット氏の姪にあたります。
まずは顔をきれいに拭いて、舞台用のリキッドファンデーションを多めに付けていきます。
ガン見しながら写真撮ってたら、「きれいに仕上がってからにして!」と言われてもうた…そ、それじゃ意味ないんすよー。
日本人は化粧下地やCCクリーム、コンシーラで整えてからでも良いでしょう。
こちら、クトゥッ先生。ジマット氏の第4子、三女にあたります。
「プロセスが見たいのよね?撮って良いわよ」と快諾。えへへ。
おふたりのリキッドファンデは本来の肌の色よりやや明るめ。
顔だけでなく、首にもスポンジで軽く叩くように塗って伸ばしていました。
次はパウダリーファンデーション。
やや赤みがかった粉ものを使います。
まぶたを除いて顔全体にくまなく塗っていきます。
ふんわりナチュラル…なんてもんじゃない!テカリを抑えた、超こってり仕上げ。
地肌のシミソバカスがほぼ消えますね。
続いて、チーク。
太めのブラシを使ってブラウン→ピンクの順に入れました。何度も何度も重ね塗り。
クトゥッ先生は丸顔なので細く見せるためにブラウンを入れますが、細い顔や小顔の方は不要だそうです。
アイシャドウ。
クトゥッ先生は上段の黄色から。指を使ってだいたいの輪郭をなぞり、チップで丁寧に色付けします。
チップにつける際、事前にヘアピンでシャドウ本体をこすって粉状にしていました。
眉毛の1/3あたりから目尻を超えた先まで三角形に色付けします。
鼻頭にかけても黄色を薄っすらと。明るい色を入れることで、鼻を高く見せる狙いがあるんですって。
「あなたは必要ないわね」と言われましたが、あてくし鼻低いZO!
眉頭から鼻翼にかけて、黒いアイシャドゥを1本線でスーッと引きます。上は濃いめ、下はやや薄め。
おかげで鼻筋がグンと際立ってきました。
中段に赤。濃いピンクというか。
目頭は黄色に重ねるように丸めに、目尻は黄色よりやや内側を扇状に。
下段の青。青というより紺に近いです。
まぶた全体を覆う感じで、赤エリアを侵略しています。
目を取り囲むように、下にも青で均一の太さに引いていきます。
だんだんバリ舞踊っぽい顔になってきましたね。
アイシャドウを塗る順に決まりはないらしく、スカール先生は下段の青からでした。
最終的に、上から黄→赤→青になれば良いそうです。
アイブロウは黒のリキッドライナーで、自前の眉よりやや長め。
クトゥッ先生は上と下の線を1本ずつ描き、間を塗りつぶしてました。
あてくし、不器用なので手がぷるぷるして左右おかしなことにちゃいそうですが、先生方は慣れているのか迷いなくスーッと。
美しい眉ができあがりました。
ほんのり眉山があって凛々しいですね~。
リキッドライナーを使って、目のキワに沿って太めのアイラインを入れます。
てかアイラインで眉を描いてたんすか?!
眉の付け根をチップで鼻筋に向けてぼかします(赤丸のところ)。
スカール先生はアイブロウとアイラインと同時に、額にチュンダと呼ばれる第三の目を描いてました。
つけまつげ。
糊をつけまの根本と、目のアイラインの上の両方に塗って、装着。
日本だとナチュラルに見えるよう自前のまつげのすぐ上につけますが、舞台用なのか1mmぐらい上に離してました。おかげで目がより大きく見えます。
糊が固まったのを確認してから、さらにマスカラをぬりぬり。
目が細い方は、目頭のほうをやや上に付けると、目が丸くクリクリして見えるようです。
もみあげ?後れ毛?の スリナタ チャレン キダン※1を描きます。
これも先生方は迷わずスーッと曲線状に。輪郭を描いてから真ん中を塗りつぶします。
※1:ひたいの生え際に描くのがスリナタ、もみあげはチャレン キダンと呼ぶそうです。
で、クトゥッ先生はこの時点でバイクに乗ってウブドへ移動。
伝統芸能エリアなので違和感ないですけどね。でも服は衣装じゃなくて普段着なんですよ。顔との差が…(笑)
スカール先生は、白い斑点を第三の目と眉の横に3つ描き足しました。
一気に息が吹きこまれた感じがします。点があるとないとじゃ全然違いますね。
現地の控室に到着。
先に着いてたクトゥッ先生は、いつの間にか白い斑点に加え、アイラインがくっきりバッチリ入ってました。その工程を見たかったのにぃぃぃ。
リキッド状のピンクがかった赤い口紅を丁寧に塗っていきます。
スカール先生、さっそく衣装に着替えて最終仕上げ。
母娘で協力しあう姿、美しいですな~。
この時は鼻の脇に茶色いシャドゥを自然な感じで入れてもらってました。
スカール先生、ひと足先にメイク完了。
スリちゃん、口紅を除き完了。
見よ、この溶け合うような美しいシャドゥの重なり!(写真ボケちゃってますけど・泣)
目頭と目尻のアイラインをやや長めにしています。おかげで切れ長な印象に。
目が大きく丸い人がやるから似合うのであって、細い人が真似するとシャープになりすぎちゃうかも。
また、鼻翼を除いて影を入れているので鼻筋がスーッと見えます。
バリ舞踊メイクは、口角から目尻、さらに眉尻まで1本線で結ぶように描くのが正しいと聞いたような(うろ覚え)。
このあと衣装のサルン(腰布)やラマッ(前掛けの長いもの)、アンポアンポ(腰の脇の布)、グラン(腕輪布)などを付け、グルンガン(花のついた冠)をかぶり、スバン(大きなイヤリングやピアス)を耳に飾ります。
そして本番へ。
クトゥッ先生の ガンブー ジョゲ・ピンギタン※2。
※2:ガンブーかと思いきや、「ジョゲ・ピンギタンのBapangGedeでは?」という指摘をいただきました!サヌキサリさんありがとうございます☆
スカール先生のジョゲ・ピンギタン。
いやはや、今回もめっちゃ勉強になりました♪
スカール先生もクトゥッ先生も、いつもながらのキレッキレな動きと見事な表現力!
最近スリちゃんもノリに乗ってますよー。いつだか話した時、「昔は踊りを“やらされてる”感が否めず。あの役はやりたいけど、これは嫌という選り好みがあった。でも出産と育児で出来ない時期を経て、今はどんな役でも“踊れること”自体が楽しいし、ありがたい」と。そういう気持ちが表情や所作、そしてオーラに出るんでしょうね。
バリ舞踊メイクを習いたいという方のために、下記にスリちゃんのサロンを明記しておきます。
ただし、彼女は超ぉぉぉ人気で結婚式シーズンは出張が多く、全然つかまりません。早めのご予約をおすすめします。
では、ごきげんよう。
- 店名
- SRI SALON(スリ サロン)
- URL
- https://www.instagram.com/srimaharyeni/
- ジャンル
- スパ、美容室、ヘア&メイクサロン
- 税金・サービス
- なし
- カード
- 不可
- 所在地
- Jl. Raya Sakah Batuan Gianyar Bali
- 電話番号
- +62-878-5854-3344(海外から)
- 0878-5854-3344(バリ島内)
- 店休日
- 不定休(バリヒンドゥーの祝祭日)
- 営業時間
- 午前9:00~午後6時
- 駐車輪場
- 車:なし(路上駐車)、バイク:あり(店頭)
- 行き方
- 1.Jl. Raya Sukawatiを北上し、Jl. Raya Batuanの交差点(信号)を道なりに右折。200mほど進んだ左側。
- 2.Jl. Cok Rai Pudakを道なりに南下し、Patung Bayiの交差点を直進。さらに1kmほど進んだ右側。
- 地図