BMKG(インドネシア気象気候地球物理庁)によると7/11~14大雨の予報だったのに、7/11・12ともおおむね晴れ、7/13朝のみザッと降りました。いや、ありがたいですけどね。当否はともかく、公表した勇気を称えたいです。

ところで、上記の写真はチャングーのどこの道だかわかりますか? 答えはJl. Pantai Batu Mejan!
「え?あのオシャレなカフェやショップが居並ぶ道?」と思いますよね。海の方ではなく、Babi Guling MEN LARI(メン ラリ)からJl. Raya Cangguを越えた、車禁止の田んぼ道です。
バイクがかろうじて交互通行できる舗装されたあぜ道の両脇には、美しい田んぼが広がっています。いつも風が気持ちよく吹いて、稲の揺れる音がサワサワー…と。たまにアヒルやカエルの鳴き声も。稲作農民のほか、ウォーキングやサイクリングを楽しむカップルや親子連れがいて、点在するガゼボ(東屋)には誰でも自由に座って休むことができます。
実は公にしたくない、静かな場所の1つでした。が、近年開発が進んで田んぼが減ってきちゃいまして。機会があれば田園風景が残っているうちに通ってみてくださいね。

・Google Map:Uma Desa Canggu

では、バリ島の様子(その2)をお伝えします。
天気・レート・コロナ関連は(その1)をご覧ください。

渡航者数:増加

インドネシア全土

◆’23.5月の外国人渡航者数

7/3(月)にBPS(中央統計局)から「インドネシア国内 ‘23.5月の外国人渡航者数」が発表されました。
前月4月に比べると9.21%増加の945,590人。コロナ禍の前年同月よりも166.42%、1~5月の累積数は前年同時期より312.91%と大幅にアップしています。

1位はマレーシアで全体の17.89%にあたる169,200人、2位はオーストラリアで12.04%の133,900人、3位はシンガポールで10.65%の100,700人。
主な入口は、バリのングラライ国際空港とタンゲランのスカルノハッタ国際空港です。

訪問者数は4月にいったん下がったものの、その後順調に増え続けている模様。とはいえ、コロナ前の2019年に記録した1,610万人に比べると依然少ない数字です。

・BaliPost(以下インドネシア語):2023年5月の外国人観光客の増加を報告

◆到着ビザ発行国数

到着ビザ(VoA/ Visa on Arrival)の対象国は、’23.4月にパナマ、グアテマラ、マカオが追加されて、日本を含む92ヶ国となっています。

・入国管理局(インドネシア語):パナマ、グアテマラ、マカオから到着ビザを申請できる
・入国管理局(英語):VoA(対象国一覧含む)

ビザ免除(BVK/Bebas Visa Kunjungan)の対象国は、ASEAN(ブルネイ、フィリピン、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイ、ベトナム)と東ティモールの計10ヶ国のみ。
6/7(水)をもってビザ免除制度は日本を含む159ヶ国で一時停止となりました。

・BaliPost:159ヶ国の訪問ビザ無料政策を停止
・入国管理局(英語):ビザ免除(対象国一覧含む)

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バリ州

◆’23.1~4月の外国人渡航者数

州単位の月別詳細は掲載されておらず、’23.1~4月の統計になります。
現在バリ島を離発着する航空会社は36社に達し、1日あたりの搭乗者数は1.3~1.6万人程度。ホテルの稼働率は65~90%。第1四半期の経済成長率は6.04%です。

‘23.1~4月の外国人渡航者数は1,449,691人。
1位はオーストラリアで366,957人、2位はインド114,156人、3位 イギリス73,456人、4位 アメリカ71,416人、5位 ロシア64,916人、6位 シンガポール63,991人、7位 マレーシア63,404人、8位 韓国61,015人、9位 中国56,002人、10位 ドイツ50,226人。その他の国が464,152人です。

・BaliPost:質の高い観光の実現、知事がバリ州議会で確固たる行動を促す

インドネシア全土では1位マレーシアで3位シンガポールなのに、バリ州ではオーストラリアが1位を独走し、シンガポールは6位、マレーシアは7位です。それぞれ近いですもんね。

ロシアが5位に食い込んだのは興味深い結果です。3月中旬頃、バリ州知事は問題の多いロシアとウクライナのVoA取消を中央政府に提案し、非公式で許可されない状態が続いていましたが(これにより4月の入国者数減)、また入国を認める方向に動いたようですね。

・BaliPost:バリ島のロシアとウクライナのVoA提案に観光局は異議なしVoAロシア・ウクライナの停止案を評価

◆6月からエミレーツ航空エアバス発着

6/1(木)世界最大の民間航空機で”空飛ぶ宮殿”と称されるエミレーツ航空エアバスA380型機が、ドバイ国際空港からングラライ国際空港に初めて着陸しました。
総2階建て、最大乗客数は484席。ビジネスクラス1席60万円という噂も!
混雑を予想して、入国審査にあたる職員が10人増員されました。今後中東およびヨーロッパから乗継ぐ観光客者がさらに増えるものと期待されています。
それにしてもングラライは滑走路が1本しかなく、距離も短いのに、よく頑張ってますわね。

・BaliPost:エミレーツ航空の乗り入れに備え、入国管理局は職員を増員
・入国管理局(インドネシア語):エミレーツ航空エアバスA380型機がバリ島に初着陸
・エミレーツ航空:A380

◆8月からGA成田直行便増便

現時点で渡航者数トップ10に入っていない日本ですが、渡航者はじわじわ増えています。
あてくしが6月に乗ったGA直行便はエコノミークラスの前方エリアがほぼ満席でしたし(ビジネスクラスも満席、後方は未確認)、毎週ヨガクラスで2~3人お見かけしますし、フォロワーさんからも「ン年ぶりに渡航します」の声がちらほら。

この需要増をうけて、8月よりガルーダインドネシア航空のバリ直行便が、ついに週5便に増便ですって!やっほーい。
成田・ングラライともに、火水木土日曜発(月金運休)。成田の火曜、ングラライの水曜のみマナド経由です。

・ガルーダインドネシア航空:2023年8月より「羽田-ジャカルタ」線を週4便に、「成田-デンパサール(バリ島)」線を週5便に増便決定

便名 運航日 出発地 出発時間 到着地 到着時間
GA881 水・木・土・日 成田 11:00 デンパサール 17:20
GA885 成田 11:00 デンパサール 19:20
GA880 火・水・土・日 デンパサール 00:20 成田 翌08:50
GA884 デンパサール 22:35 成田 翌08:50

◆8月から日本便の燃油値下げ

さらに朗報。日本―インドネシア間の燃油サーチャージがまた下がります。
お急ぎでない方は8月以降に発券したほうがほんのりお得。ただ空席があるかは…神のみぞ知る。

日本-インドネシア間 ‘23.8/1~9/30発券分 ‘23.6/1~7/31発券分
GA 16,000円(往復32,000円) 18,500円(往復37,000円)
JAL 18,400円(往復36,800円) 21,300円(往復42,600円)
ANA 16,000円(往復32,000円) 18,500円(往復37,000円)

◆他島の往来も増加

イードルアダハ(イスラム犠牲祭)の連休と学校休暇をうけて、ジャワ島ケタパン港―バリ島ギリマヌク港の交通量が爆発的に増加しました。

6/27(火)~7/1(土)の5日間で、ジャワ島ケタパン港から運航したフェリーの数は28隻。主に観光と思われる乗客数は144,474人で、前年の同時期に比べて641%増。二輪車は11,004台で前年比1,074%、四輪車は15,251台で516%増、トラックを含む車両総数は36,558台で前年比334%増加しました。

同5日間で、バリ島ギリマヌク港からのフェリー数も28隻(そりゃ往復するから)。主に帰省と思われる乗客数は151,385人で前年比651%。二輪車は14,737台で前年比651%、四輪車は15,896台で458%増、トラックを含む車両総数は41,276台で前年比326%増でした。

・BaliPost:イードルアダハの帰省者が増加学校休暇の終盤で交通量が爆発的に増加

近年、連休になると西ジャワや中央ジャワのリッチ層が大きめの四輪車を運転して国内観光に来ます。バリはジャカルタやバンドゥンに比べて道が狭いため、大型車の走行は渋滞の一因になるんですよね。とはいえ、バリでチャーターしまくると値が張るし、自由度が落ちるため、自分たちで運転したい気持ちもわからなくないですが。
バリの経済が徐々に活性化してきて、他島からの出稼ぎも増えています。その方々は二輪またはバスかと。

さらに島内のショッピングモールやスーパーマーケットの店舗拡大、個人の通販利用により、トラックなど物流貨物の往来が相当増加しています。バリ州政府は地産地消を推奨しているものの、他島からの輸入に頼らざるをえないので仕方ないですね。

外国人観光客に対するルール

コロナ禍が明けて、外国人観光客が増えるにつれ、目に余る不適切な行動や活動を行う者が出てきました。
5/31(水)バリ州ワヤンコスター知事は「2023年第4号 バリ島滞在中の外国人観光客に対する新たな秩序に関する知事通達」を発出しました。この通達は「Do’s and Don’t(すべきこと と してはいけないこと/義務と禁止)」の2項目に分かれています。
「してはいけない」は、「笑ってはいけない」や「押すなよ、絶対押すなよ」と同意語ではありません。ガチのやつです。
違反した外国人に対してはインドネシアの法律や規制に従い法的な制裁を科すという厳格な措置が取られます。

バリ州知事通達

デンパサール領事館が日本語に翻訳してくださってるので、必ずご一読ください。

・在デンパサール日本国総領事館:バリ滞在中の外国人観光客に対する新たな秩序に関するバリ州知事通達

義務事項(簡略版)

  1. 寺院や宗教を尊ぶ
  2. バリ社会の風習を敬う
  3. 適切な服装を着用
  4. 公共の場所で礼儀正しい振る舞い
  5. 免許を所有しているガイドを利用
  6. 公認両替商(KUPVA)を利用
  7. インドネシア標準QRコード(QRIS)を利用
  8. ルピア通貨を使用
  9. 有効な法令に従って乗り物を使用。交通ルールを守る
  10. 適切な交通手段を利用
  11. 許可されている宿泊場所を利用
  12. 全てのルールに従う

禁止事項(簡略版)

  1. 神聖なエリアに入る
  2. 神聖な木に登る
  3. 神聖な場所を汚す
  4. 公共の場所を汚す
  5. プラスティックの袋やストローの使用
  6. 他人に対して
    • 汚い言葉を使用
    • 礼儀を欠いた行動
    • 諍いを起こす
    • 攻撃的な態度をとる
  7. 無許可の就労やビジネス活動
  8. 違法な売買や行為

日本人が普通に行動して、普通に観光している分には何ら問題ないかと。
映えやバズりを狙って奇抜な行動を取る、南国の解放感をうけて露出しまくる、許可証のないガイドと同伴する、異常に高レートの両替所を利用すると引っかかる可能性があります。
まぁネット申込なら旅行会社のPT(株式)やKTPP(ガイド登録)の有無を確認する、現地での怪しい客引きについていかない、などすれば避けられるはず。

通達発出の流れ

アホな外国人がしでかした事件の数々、発出の背景まで詳しく説明すると、かなりの文字量になっちゃいます。そのうち書くかもしれませんが、とりあえず先送りしますね。
はっ!「アホ」も汚い言葉の使用に引っかかるかしら?「思慮の足りない」「配慮の欠けた」「理解力の乏しい」というべき?(丁寧な言葉でえぐるw)

あてくしが把握している発出の流れをざっくり書くと、下記のようになります。

  1. コロナ規制緩和で外国人観光客の受入れ開始
  2. これまでなかった不適切行動や活動が多発(ロシア人が最多)
  3. バリ州政府が中央政府に経緯と一部の国の受入れ停止を申し入れ
  4. 中央政府よりバリ州政府へ対応策(規制)の策定指示
  5. バリ州政府による”今後100年のバリ発展草案”のキックオフ
    その席でメガワティ元大統領より「バリ島の人々の繁栄を願う。外国人に浸食されるな」との助言
  6. バリ州政府より”外国人観光客に対するバリ州知事通達”発出
  7. ”今後100年(2015~2125年)のバリ発展に向けた地域規則”の制定 ←今ここ

さらにその背景というと、2024年の大統領選が絡んできます。
ジョコウィ大統領の任期切れにともなう次の最有力候補は、現時点でプラボウォ国防大臣。彼はスハルト元大統領の義息にあたり、軍人出身の政治家です。イスラム保守派や若年層から絶大な支持をうけています。
イスラム勢力が政治力を強めると、リンダ困っちゃうになるのがヒンドゥー教徒の多いバリ、キリスト教徒の多いティモールやスラウェシなど。

現在はジョコウィ大統領によりパンチャシラ(建国5原則)が守られているので、この先もお互いが平和に穏やかに暮らせるよう、バリ州は地域規則を制定・施行したり、ユネスコ登録を行うなど、積極的に宗教や文化を守る活動を行っています(宗教対立をあおるものではない)。

いろんな意見が出ていて、「プラスチックごみを減らそう(ワルンのスープとかどうやって運ぶの?)」と「バリ語を使おう(田舎の子はバリ語ばかりだけど)」は理解できるのですが、「第4子のクトゥを絶やさぬように(一家で4人まで出産推奨)」とか「ホテル建設をやめて田んぼを減らさない(そのわりに農業の報酬補償なし)」とかは無理があるかなぁと。
ほかに決定していませんが、「ホテル等で観光客に向けた伝統舞踊公演の中止」なんて声も出ています。具体的にはルジャン、サンヒャン、トペンなど宗教色の強いワリとブバリ舞踊は奉納以外はやめて、それ以外のバリ・バリアン舞踊やクレアシバル(新創作)を上演しましょうって。

・BaliPost:新たな歴史、バリ島の今後の発展に関する地域条例が制定あらゆる派閥がバリの発展の将来に関する地域規則を支持メガワティは観光業のせいでバリが浸食されることを懸念バリ舞踊の神聖さは維持されなければならない
・Expedia:バリ舞踊

街の様子

いろいろ書いたら、すっかり長くなってしまいました。
最後に街の様子を。遠出しないのでクロボカンとチャングー周辺のみです。

渋滞悪化

渋滞がひどくなってます。
Jl. Raya Cangguはほぼ連日渋滞しているのですが、だいたい決まった場所だけ。そこを避けるとバイクならスイスイ走れます。

先日はいつも混まないJl. Padang LingjongからJl. Pantai Pererenanまで進まずびっくりしました。車はほぼ停止状態。ついにお前もか!と。
あとから友達に聞いた話によると、トラック横転による事故渋滞の影響を受けたようです。事故車両が撤去されていたため気づきませんでした。

バリ島「Jl. Raya Canggu渋滞」Memo Bali

国内外観光客と移住者の増加、開発による工事車両の増加、頻繁に起こる事故、大雨による洪水や冠水、そもそもの道の狭さと作りの悪さ。さらにガルンガン(迎え盆)を前に行われるオダラン(寺院建立祭)、乾季の結婚式や葬式など宗教行事による通行止めや迂回指示…そりゃ混むYO!どこもかしこも混むYO!「そういうものだ」と思って諦めましょう。
あぁコロナ中の空いた街が懐かしい。

地価の値上げ

ちょっと奥さん。コロナ収束とともに土地や家賃が爆上げされてますのよ。
チャングー周辺平均2~3倍にアップですって。

聞いた話によると、ブラワの某店舗はこれまでの賃料が年Rp200,000,000(200jt。1円=Rp100として約200万円)だったのに、不動産会社から「更新したら年600jt」と。人気店でもそこまで払うと利益が見込めず移転しました。
バトゥボロンにある別の店舗も年200jt→500jtと言われて閉店しました(金額うろ覚え)。

めったに出ない海近くの土地、某所は1アール(10×10m)がRp1,000,000,000(1M/約1千万円)。すでに買い手がついたそう。
もう1ヶ所は1アールなんと3.5Mですってよ。ここは持ち主が売る気なく、「この値段でもほしい人がいれば」という強気設定だそう。ちなみに8アールあり、総価格2.8億円!ひょええええーー。

一軒家タイプの住宅も跳ね上がっています。聞くところでは、クロボカン~チャングーの1ヶ月の家賃20~30jtが増えてるとか。に、日本かよ…。
あまりの高値に音を上げて、ローカル地帯のダルンやアビアンバセへ転居する外国人が増えてるんですって。どうりで近隣で外国人を見かけるようになったなぁと。先月アビアンバセのバリアンマッサージに行ったときも外国人の集合住宅地帯を見つけましたし。
ただ、外国人が多くなるとこれまた家賃相場があがってインドネシア人が住めなくなるんですよね。うーむ、それも致し方なしか。

以上近況でございました。ご参考になれば幸いです。
では、ごきげんよう。

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