先月の一時帰国中、東京郊外のアウトレットモールに行きましたの。
スポーツブランドのスニーカー売り場で、スマホを片手に棚の端から端まで映しながらしゃべり続ける中国人女性を見かけました。同行するメンバーの脇には次々と積み上げられていく靴箱…。

これ、今急速に市場を拡大しているライブコーマス=実況販売です。
バリ島でもできるの?日本からの持ち込み販売はあり?
気になっていろいろ調べてみました。

ライブコーマスとは

SNSなどを使ってリアルタイムで配信しながら、視聴者に商品の特徴や良さを伝えて来客や購買を促す新しい販売手法です。
詳しくは下記の解説ページをご参照ください。

・Do! Solutions powered by Dentsu Inc.:今、注目の「ライブコマース」とは? “ライブ配信”で変わるこれからのEC
・makeshop by GMO:【2023年】更に加速するライブコマースとは?市場動向や事例、アプリを徹底解説

配信者は3通り

配信者は大きく3通りに分けられると思います。

a. バイヤーやスタッフによる自社商品の紹介と販売
b. タレントやインフルエンサーを起用したPR
c. 個人による買付代行

中国は先行、日本は…

記事によると、中国は文化的に偽物が多く、信用できる有名人が紹介するライブコーマスが大きな成果をあげてるそう。なんと1~2時間で3億円を売り上げた例も!
そこまで稼げなくても、うまくいけば旅行や生活の足しになるんじゃないか?と期待が膨らみますね。

日本はコロナ禍で外出制限やECサイトの利用推進により、大手百貨店やアパレルメーカーが新たな販路として参入。YouTubeやInstagramを日常的に観ている若い世代を中心に浸透しはじめています。
ただし、転売目的だったり他の客の妨げとなる迷惑行為などの問題があり、個人の撮影や買付を禁止している店舗やイベントが増えています。

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バリ島での外国人による配信や買付

配信者のカテゴリーによって、適用されるインドネシアのルールが異なります。

a. バイヤーやスタッフによる自社商品の紹介と販売

インドネシア国内で法人化された会社や工場を所有し、かつ業務内容に沿っていれば、当然商品の紹介や販売は合法です。
定期的に配信を行うことで顧客は商品をより理解できて、親密度もあがり、購買意欲を刺激されるかもしれません。

b. タレントやインフルエンサーを起用したPR

タレントを起用してテレビや映画撮影を行う場合、取材・撮影ビザ(Journalist Visa/B211C)の取得が必須です。
ライブ配信はどうかしら?大々的に行う場合は取っておいたほうが良いでしょう。万一捕まったら言い訳できないですし。

・入国管理局(英語):訪問ビザ(B211C)

c. 個人による買付代行

現在日本人がインドネシアへ入国するには何かしらのビザを取得しなければなりません。もっとも安くて手軽な到着ビザ(VoA/ Visa on Arrival)には「観光」目的以外に、なんと「買付」も含まれています(1.観光、2.政府の任務、3.商談、4.商品の購入、5.乗り継ぎ、の5項目可)。
ただし、VoAの入国ではインドネシア国内の会社や工場で働くこと(就労)、スタッフを雇うこと(雇用および長期監視)、現地通貨(ルピア)を得ること(販売)はできません。不法就労などは強制送還の対象になります。くれぐれもご注意ください。

・入国管理局(英語):到着ビザ (VOA)

◆ビザ免除制度は停止中

ちなみに、ビザ免除(BVK/Bebas Visa Kunjungan)の入国には「買付」は含まれていません。
’23.6/7(水)をもってビザ免除制度は日本を含む159ヶ国が一時停止となりました。現在ビザなしで入国できるのは、ASEAN(ブルネイ、フィリピン、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイ、ベトナム)と東ティモールの計10ヶ国のみです。

・BaliPost(インドネシア語):159ヶ国の訪問ビザ無料政策を停止

個人輸入の範囲なら買付可

定期的に大量の買い付けを行ってコンテナで輸出するなど目に余る行為があればたぶん法人化しろと言われますが、個人で持ち運べる量ならお咎めなさそうです。
逆に考えて、インドネシア人が日本で持ち運べる量の買付を行ったところで、「個人の買い物」とみなされて捕まらないのと同じ。

ただし、両国とも就労ビザなど持たない方が販売により現地通貨を得ることは違法です。よって観光の日本人が日本製品をインドネシアで販売してはいけません(ECサイトなどでインドネシア人向けに日本製品を販売して日本円を得ることは可)。

その他 両国のルール

通関手続き・関税

航空会社の受託範囲内で輸出入制限に該当する品目でなければ問題なく手持ちできますが、別送した場合は通関手続きが必要だったり、輸出入の関税がかかる場合があります。
このあたり、かなり細かいので下記ページでご確認ください。

・ジェトロ(日本貿易振興機構):インドネシア輸出入手続
・三井倉庫:インドネシアとの貿易(輸出・輸入)における基礎知識を徹底解説

日本も価格が20万円を超える郵便物は通関手続きが必要となっています。

・税関:価格が20万円を超える国際郵便物の通関手続の見直しについて

確定申告・納税

インドネシアでは個人で1/1から12/31までの暦の1年間の総所得がRp50,000,000(1円=Rp100として約50万円)を超えると5%課税されます。その後は日本と同じく累進課税方式で税率が上昇していきます。ただし、所得控除があるため、最低Rp54jt以上かと。

・JETRO:インドネシア 税制 「所得税」
・PAGI PAGI POST:インドネシアの税金制度|個人所得税関連

日本でも個人で年収から経費と所得控除などを引いて1年間の総所得が20万円以上あれば5%課税されます。

・国税庁:確定申告が必要な方
・マネーフォワード クラウド確定申告:副業で年20万超稼いでも課税されない場合と、20万以下でも申告が必要な場合の違いを徹底解説!

なお、インドネシアと日本では二重課税の回避および脱税防止のための協定が結ばれています。これにより、どちらか一方でまとめて申告・納税ができます。二重に課税されることはありません。

・JETRO:インドネシア二国間租税条約

総評

Youtube、Instagram、LINE LIVEなどを使って気軽にはじめられるので、ショップのオーナー、フォロワーの多い方、トークに自信がある方は試してみても良いかもしれません。
既存のネットショップには並んでいない新商品を紹介できる可能性があります。

・makeshop by GMO:ライブコマースを導入するアプリ・サービス13選

とはいえ、インドネシアの製品って単価が安いですからねぇ。自社製品以外のお菓子やコスメは薄利多売になるかも。
ネット回線の不調で実況が途切れたり、後払いで入金してくれない方もいそう…。
そうそう、島内のスーパーマーケットはほとんど撮影NGです。以前取材で伺ったときは事前に申し入れしました。

・Expedia:バリ島はプチプラお菓子天国!バラマキ土産にどうぞ

紹介しておきながら、あてくしは見送りたいと思います!
そもそも不特定多数に向けたトークに自信ないですし、売れるかどうかわからないのにスーパーやショップで1人ブツクサいうのも嫌ですし、ファーストペンギン(最初に飛び込む)は新規のレストランやカフェ以外やりたくないですし、だったら本業のwebページ作ったり、犬と遊びたいなぁと。
どなたかのご活躍を陰ながら応援しています☆

では、ごきげんよう。

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