【知っ得】オーバーステイの罰金と費用負担

インドネシア全体

ねぇ、奥さん。
在デンパサール日本国総領事館から、7/4(火)に「安全対策情報」メールが届きましたね。

・在デンパサール日本国総領事館:海外安全対策情報 令和5(2023)年度第1四半期

この中に「日本人旅行者が体調不良となり入院したところ、滞在期限を数日超過してしまい出国時に罰金を科せられた事例」という記述がありました。
病やケガなど不測の事態でさえ配慮されないことにやや驚きつつ、インドネシアならさもありなんかと。特例を作って都度判断をゆだねるのは難しい国ですから(ワイロが横行する)。

インドネシアのオーバーステイについて

インドネシア法務人権省・移民総局のプレスリリース内に、どんぴしゃ記事がありました。
読み解いていきましょう。

・移民総局(インドネシア語):オーバーステイで強制送還される外国人をどのように扱うか

60日超えは強制送還対象

記事によると、「入国管理法の2011年第6号にのっとり、(滞在許可(ビザ)の有効期限切れ後)60日を超える不法滞在、公共の秩序を乱す危険な活動を行った疑いなど、さまざまな理由で外国人に強制送還制裁が科される場合がある」と。

強制送還とはインドネシア領土から外国人を強制的に排除する国外追放のことです。
対象者は移民総局または入国管理局にある入国者収容室へいったん保護されます(薬物など刑法違反は警察管轄)。いわゆる別室行きですね。
最長30日間収容ののち、手続きが終了次第 、国外追放になります。

えっ、2~3日のオーバーステイごときで強制送還の対象になるの?!とタマタマがヒュンってしちゃいますよね?

ビザ切れ後59日以内であれば、出国審査場で罰金を払って帰国できます。次の再入国も問題ありません。

60日を超えた場合は、入管法第78条により強制送還となります。
さらに、違反内容にもよりますが、通常6ヶ月間再入国禁止措置が科せられます。措置解除には「解除を求める要請書」を移民総局の入国管理監督執行局へ送付する必要があります(バリではなくジャカルタの総局)。

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1日あたりの罰金額

入管法の2019年第28号に基づき、滞在許可(ビザ)の有効期限を過ぎた外国人は1日あたりRp1,000,000(1円=Rp100として約1万円)の罰金が科せられます。

支払いを拒否した場合、59日以内であっても60日超えと同等の強制送還入国禁止措置を適用ですって。
「ん?拒否できるの?1日1万円×日数分を払うよりお得じゃない?」と思いませんこと?
それがね、奥さん。強制送還にかかわる実務(人員や作業)を含む入国管理措置の結果として発生する総費用を負担しなければならないと入管法第63条で決まっています。
てこたーよ、総費用>罰金の可能性があるわけです。むしろ、その可能性が高いです。じゃなければ素直に罰金を払う意味がないもの。

費用負担

記事によると「総費用は外国人の保証人が負担する」と書かれています。保証するから保証人なのか!
就労ビザであれば雇用企業、配偶者ビザであれば夫または妻、その他、商談相手、研修先、師匠、友人・知人などなど。いわゆるスポンサー欄にサインして、KTPなど必要書類を提出した方です。
保証人側に義務が発生するので、あたりまえながら請け負うときに注意と覚悟が必要ですな。

到着ビザ(VoA)など保証人がいない場合は、外国人本人が直接負担します。
保証人や本人が負担できない場合は、家族が負担します。
家族にも経済的な余裕がない場合は、国の負担となります。

日本国、そう簡単には出さないと思うぞ。ホイホイ応じちゃったら、世界各地で払う負担(=税金)がすごいことになるもの。
やむを得ない事情なら相談ぐらいのってくれると思いますが…。負担は無理だろ、これ。自業自得であるならなおさら。

◆海外旅行保険

ザッと調べてみましたが、オーバーステイまで補償してくれる海外旅行保険はみつかりませんでした。
ただ急な入院で帰国が延びた場合の保険期間の延長(現地から連絡)や、悪天候での欠航による延泊費用などはカバーされることがあります。契約プランによって異なるため、ご自身で加入内容をご確認ください。

経験談

かくいうあてくしも、10年ぐらい前に1度だけステイをオーバーしたことがありますの。
当時ソシアルビザ(1回限りの訪問ビザ)で滞在。入国管理局へ延長申請に行ったら「このあと連休があるから出国までに発行が間に合わない。オーバーステイで出て」って。かるっ!
「いや、不正してないし罰金払うのヤダ」とゴネたものの、「上長に確認したらやっぱり間に合わない」とのこと。

空港の出国審査場でおそるおそるパスポートを提出。係員に「なんでオーバーステイしたの?」と聞かれ、「イミグレ行ったけど間に合わないと言われた」と答えたら、「ふーん。2日分の罰金ね」と。その場で払って終了。かるっっ!


そもそもオーバーステイにならないよう余裕をもって帰国日を決めたり、ビザの更新手続きを進めるのが賢明でしょうね。
うっかり超過してしまった場合は、気づいた時点でなる早対応!遅れるほど罰金その他が加算されます。
逃げ切るのは無理かと。一生出国せずインドネシア国内でコソコソ暮らすならありでしょうけど。ちなみにインドネシア国籍になれば問題ありませんが、帰化するためにはそれまでビザの正規更新が必須です。

日本やヨーロッパではたとえ1日でも再入国禁止措置が科せられる場合があります(やむを得ない事情、手順を踏んだ正しい申し出を除き厳罰)。
くれぐれも油断なさらぬように。

では、ごきげんよう。

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