5/31にバトゥアン村ウマコドッ（カエルの家）で「トリプサカサクティ創立記念式典＆バリ舞踊公演」があり、伺ってまいりやした。
トリプサカサクティとは、トペン（仮面舞踊）の人間国宝といわれるジマット氏の長男マンブッ氏が設立した文化振興財団で、バリ芸術の発展・継承と創造を目的としています（詳しくは日本語公式サイトを参照）。
創立記念日は5/29だそうですが、前日5/28までイタリア公演に行かれていたジマット氏の体調に考慮して、この日に開催の運びとなりました。
トリプサカサクティは、公演毎に上演内容や会場、時間、チケット料金が異なります。
以前は毎月1日と15日の夜に定期公演を行っていました。現在は海外遠征やオダラン（寺院建立祭）の出演依頼等もあり、休止中です。
計画立てての観覧が難しくなったものの、時期によっては頻繁に上演されるチャンスがあります。去年はオダランで週3日公演も！不定期ですので、滞在中ご覧になりたい方は下記のバリ島事務所へお問合わせください。
今回の創立記念祭は・・・
- 日時：5/31（日）午後6時開場・午後8時開演
- 会場：バトゥアン村ウマコドッ
- 料金：チケット制（食事券=1枚Rp6,000/飲み物券=1枚Rp5,000）+心付け
- プログラム：1.ガムラン演奏（曲名未確認）、2.謝辞・表彰式、3.ペンデット（Tari Pendet/歓迎舞踊）、4.代表挨拶、5.パドゥマ アチャラ（Tari Padma Acala/創作舞踊）、6.トペン ニコ（Tari Topeng Niko/仮面舞踊）、7.記念撮影
でした。
あてくしがウマコドッに到着すると、ステージはすでにセッティングされ、カキリマ（屋台）がスタンバイ。少しずつ人が集まりはじめていました。
これ、全部ジマットさんの敷地内です。ご自宅や宿泊施設も含めて、全部で約25アール（760坪）ですって。広ーいっ。
屋台が並ぶとお祭り気分が高まりますよね。
エスチャンプル（氷フルーツゼリー）、バッソ（肉団子スープ）、タフゴレン（揚げ豆腐）などが出店してました。
みんなが食べてる間、踊り子たちは準備に余念がないです。
舞台裏や練習風景の掲載を好ましく思わない方もいらっしゃるようですが、ジマット氏は「何も隠すことはない。全部OK」と言ってくださってます。ふふふ、太っ腹。
午後8時過ぎ、ガムランの音色で幕を開けました。
今回はベテランの大人たちではなく、そのジュニアメンバーによる舞台です。
ウガール（鉄琴のリーダー）を叩いてるのはマンブッ氏の三男、クンダン（太鼓）の手前が次男、奥がジマット氏の次女の長男。
最近、機をみては子供たちを出演させています。後進の育成ですね。こうして文化を継承していくのでしょう。
もちろん要請やご指名があればベテラン陣が奏でて舞います。また、子供に大人数人が加わることもあります。
1曲目が終わったところで、今回の簡単な主旨説明と協賛・協力者への謝辞が述べられます。舞台衣装製作で日本人舞踊家におなじみのレダ氏の名前も挙がってました。
マイクを持っているのは、ジマット氏の姪の長女。彼女も美しい踊り子です。旦那様も目が釘づけになるような王子踊りをします。
ジマット家は、お母様の故チュニック女史を筆頭に、ご家族のほとんどがプナリ（舞踊家）かプナブ（演奏者）かその両方です。まさに芸能一族！
続いて、歓迎の舞い「ペンデット」。
若いというか幼い女子グループで、まだあどけなさが残っています。上手いか？といわれれば、まだまだでしょうね（自分は出来ないくせに偉そうにｗすみません）。とはいえ練習で先生方にグイグイ腕を引っ張られたり、足元を蹴って直されてた子たちがここまで上達するとは・・・おばちゃん、涙腺がゆるみそうです。
ちなみに外国人生徒には手をあげないのでご安心を。
あてくしが撮影した、つたないムービーもつけておきますね。カメラワークが雑な上に、1分ちょいと短いです。雰囲気だけでも味わっていただければ。
動画がうまく表示されないときは、一旦最後まで読み込ませて、再生すると滑らかに流れることがあります（バリのネット環境だと何度やっても上手くいかないかも）[広告] VPS
マンブッ氏による代表挨拶。
財団の歴史や現在の状況などが語られました。
1980年代は世界的にバブルだったせいか、なんと総勢40名以上でヨーロッパ各国を回ったんですって。渡航費も滞在費もすべてスポンサー持ち。日本にも数人（十数人？）で渡航し、3～4ヵ所で公演したそうですよ。
現在はジマット氏やジマット氏の姪のスカールさんが単身海外へ行かれています。スカールさんはほぼ毎年日本へいらしてますしね。もしかしたら今夏は数人でブラジル遠征するとかしないとか（未確定）。
ほかにも子供たちの育成や社会貢献についても説明されていました。
「パドゥマ アチャラ」はマンブッ氏が創られたクレアシバル（新舞踊）です。
男性3名と女性8名がフォーメンションをくるくると変えながら、滑らかに、雅やかに、時に力強く、華やかに、美しく舞います。
初めて見ましたが、この踊り、すっげーーー素敵。若手の上手いメンバーだったこともあり、冒頭からグイグイ惹き寄せられました。もはや前のめりぎみ。
動画はめっちゃ細切れざますよ。
ところどころ画面がにじんでるのはマジック・・・ではなく操作を誤ったせいです。ついでに前列の偉い方の後頭部も入りまくってます。[広告] VPS
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いや～、マンブッ氏の長男アグスが格好良すぎてハートを撃ち抜かれちゃいました。うっとり♡
数年前にNHK・BSプレミアムで放送された番組「旅のチカラ」で、バレエダンサーの首藤康之さんがバリ舞踊を一緒に練習していた子供です。ご存じの舞踊好きさんも多いのでは？
彼はこんなに大きく、たくましくなりましたよ。目力が半端ない！くーっ。
マンブッ氏の奥様でアグスのお母様プトゥさんはタガス村出身の美人踊り子（ぺっぴんさんなのに気さくでおもしろい。英語がご堪能で、日本語もほんの少しできます）。アグスはお顔の造りをまんま引き継いでいます。そりゃ美形ですわ。さらに、ジマット氏とマンブッ氏から叩き込まれた踊りの基礎やノウハウと、本人の努力の積み重ね。ルックスだけじゃなく、踊りながら放つオーラがまた格別なんす。
舞踊界のサラブレッドは今後ますます成長しそうで目が離せません。青田買いするなら今ですよ（笑）下世話ですが、そのうち金を惜しまないパトロンが出てくるかも。
パドゥマ アチャラ自体も素晴らしいと思いました。バリヒンドゥの神話をベースに、動きも衣装も美しいです。日本で公演しても観客受けしそう。どなたか習得して、阿佐ヶ谷バリ舞踊祭で魅せてくださらないですかね？
このあと、仮面舞踊の「トペンニコ」が上演されました。
が、前曲に心奪われたあてくしは呆けて眺めてました。すみません。あまり記憶になく。
動画はこちら。20秒程度です。[広告] VPS
トペンといえば、やはりジマット氏の踊りが好きです。
オダラン等でいろいろな仮面舞踊を拝見して、動きが上手い方は数多くいらっしゃいますが、お面の表情が変わって見える踊り手は実は少ないように思います。ジマット氏は魂を入れてるのでしょうか？動かないはずのお面から喜怒哀楽の感情が伝わってきます。スカールさんにその話をしたら「私もそう思う。いっぱい見てきたけれど、彼はそこが違う」とおっしゃってました。
最後に追い撃ちでアグスのアップを。お母様そっくり（プトゥさんの男装じゃないですYO！）
- 財団名
- Tri Pusaka Sakti（トリ プサカ サクティ）
- URL
- http://pusakasaktiarts.com/（英語）
- http://bali.suppa.jp/（日本語/ご担当：大眉鉄平さん）
- ジャンル
- バリ舞踊・ガムラン
- フィー
- 公演内容やレッスン期間等により異なります。お問合わせください。
- カード
- 不可
- 所在地
- Br. Pekandelan Batuan Sukawati Gianyar Bali
- 電話番号
- +62-361-296-137/+62-361-299-138（海外から/バリ島事務所）
- 090-5917-7140（日本国内・日本語対応）
- 0361-296-137/0361-299-138（バリ島内/バリ島事務所）
- 行き方
- 1.（デンパサール方面から）ラヤスカワティ通りを北上し、スカワティ市場を過ぎて1kmほど直進。左手に緑色の「Museum～（たしかSeni）」の看板が見えたら、そのT字路を左折。300mほど直進した突き当り左側。
- 2.（ウブド方面から）ラヤバトゥアン通りを東へ進み、バトゥアン寺院を過ぎたら、次のコンビニ・インドマート正面のT字路を右折（信号まで行かない）。200mほど進み、Tri Pusaka Saktiの石碑がある十字路を右折した突き当り左側。
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