気になることがあると簡単なメモを取るのですが、読み返さないことが多くて。というか書いたことすら忘れるんですよ。
たまに読み返しても1行だけだと、はて…これは…?と首をかしげる羽目になります。
たとえば「日本語で話しかけられる、怪しい。マネージャー」とか「若いですね。お母さん」とか「ひどいあだ名。携帯屋の警備」とか、何がなんだかわからないですよねぇ。
先日古いフォルダを漁っていたら、2015年7月、今から約10年前の検問に引っかかったときのやりとりを綴ったメモが出てきました。
実際にあった話です。どうしようもなくアホ=バリっぽいので備忘録として載せておきます。いや、忘れていい話です。むしろ忘れろ。記憶の領域を無駄に使うな。
10年前の検問にて
バリではハリラヤ(祝日)前になると検問が増えます。万一の有事のために警備強化!ではなく、警官たちの帰省前の小金(ワイロ)稼ぎだと思います。
先日2回ほど検問を見かけて、1回目はインドネシア人扱いされたのかスルーできたのですが、2回目は避けるべく大きく車線変更したらバッチリ見られて呼び止められました。
警官A:…(無言で手を出す。「ハロー」と挨拶されるのは外国人だけ)
あてくし(以下私):…(無言で車両証明のSTNKを出す)
警A:免許証のSIMは?
私:…(無言でSIMを出す)
警A:日本人?
私:そう
警A:どこに住んでるの?
私:ダルン
警A:何年いるの?
私:3ヶ月(渡航日から換算してな)
警A:…(イチャモンつけようと免許をガン見。他の警官も集まってくる)
警B:どこで取ったの?
警C:これ、期限切れてるよね?
私:いや、切れてない。これは取得日。1年間有効
警A:恋人はどこ?(急に出た!お決まりのセリフ)
私:彼氏いない(旦那はいるけど)
警A:またまた。なんで3ヶ月滞在なのにインドネシア語がしゃべれるんだ
私:バリ舞踊習ってるから。これからレッスン行くの(めんどうくせーな)
警B:Aは彼女募集中なんだよ
私:うそー。奥さんいるでしょ?(てか早く免許返せ)
警A:本当だよ。奥さんいるけど2番目募集中
私:あははー(どうでもいい会話だな)
警A:もし2番目の奥さんになりたかったら、電話番号教えて
私:あははー(いや遠慮しとくわ。てか早く免許返せ)
警ABC:…(まだ話したい感じ)
私:これから舞踊のレッスンなの。遅れそうなんだけど
警A:チッ(こいつからワイロ取れなさそう。返却)
私:バイバイ(ブォーーーー)
この検問による周辺渋滞と、警察官との不毛なやりとりのせいで、舞踊レッスンに遅刻しました。
舞踊の先生に話したところ「恋人はいないけど、旦那は2人いる。3人目になりたい?と聞けば良い」とアドバイスをもらいました。なるほど。ってなんでやねーん!
さらに先生に「しょっちゅうバリ人に間違えられてバリ語で話しかけられて困る」と言ったら、「3歳のときにジャカルタに引っ越した。だからインドネシア語しかしゃべれないと言えば良い」と言われました。なるほど。ってなんでやねーんねーん!
あれから10年経ちました。
振り返ってみると、小金稼ぎの検問は少なくなりましたね。ジョコウィ前大統領に変わって以降、公務員の規制が厳しくなって、あからさまなワイロの要求ができなくなりました。
いや、検問自体は今もありますけど、ヘルメットの有無、免許証と車両証明のチェックなど真面目なやつ。主に外国人違反者の取り締まり。事故が多いんで。
そもそも観光地は交通量が増えすぎて、雑談に花を咲かせる余裕がなくなった気がします。
こちらも歳を重ね、もはや「2番目の奥さん」ですら願い下げかも。
クバヤを着ていたらバリ人に見られるのはマストで周囲は誰も驚きません。違うっつってんのに、「本当はそうでしょ?」と念押しされることも。
なぜこのやりとりをメモってたのか謎ですが、日の目を見られて良かったです。
では、ごきげんよう。