【’20.6月下旬】コロナウイルス感染状況(その7)

バリ島の近況

諸般の事情により、ブログ更新が滞ってしまいました。すみまぺんぺん。
さっそく本題です。
新型コロナウイルス(COVID-19)に関する「インドネシア」と「バリ島」の感染状況を、現地ニュースサイトのBaliPost(バリポスト)を中心にまとめました。3回連続の感染状況で恐縮です。
今回の見どころは「国と州の感染状況:バリ州のウイルス対策費と反応」です。
毎回書いてますが、あてくしが突撃取材したわけじゃないので、エリアやタイミングによって差があると思います。また、すべての情報を網羅しているわけではありません。必要な情報は各自でご確認ください。

国と州の感染状況

◆インドネシアの感染状況

インドネシア国内のコロナウイルス感染状況は、BNPB(国家防災庁)の分布データで確認できます。
・BNPB(インドネシア語):Situasi Virus Corona
インドネシア「BNPB(国家防災庁) Situasi Virus Corona」Memo Bali
BNPB Situasi Virus Coronaのパソコン画面
↑画像をクリックすると表示できます

6/30(火)の集計によると、インドネシア陽性患者数は56,385人です。
陽性患者数のうち、治癒者数は24,806人(治癒率43.99%)、死亡者数2,876人(死亡率5.10%)。
半月前のブログから陽性患者数が1.7万人増えて、あっというまに5万台後半になりました。
陽性患者が増えたことで死亡率は下がってますが、死亡者自体は増えています。半月で678人が亡くなっています。

◇新規感染者、大幅増加中

インドネシアでの新たな感染者は、引き続き1日千人単位で増加しています。
日別の増加数は、6/16(火)1,106人、6/17(水)1,031人、6/18(木)1,331人、6/19(金)1,041人、6/20(土)1,226人、6/21(日)862人、6/22(月)954人、6/23(火)1,051人、6/24(水)1,113人、6/25(木)1,178人、6/26(金)1,240人、6/27(土)1,385人、6/28(日)1,198人、6/29(月)1,082人、6/30(火)1,293人
ASEAN(東南アジア諸国連合)で感染者数を競り合っていたシンガポールを抜いて、独走態勢に入りました。
アジア全体でも、インド、バングラディッシュ、中国に次ぐ、第4位に浮上(下落)。まぁ上記3ヶ国がぶっちぎりなので、まだ足元に及ばないと思いますが。
・WHO:国・領域別 COVID-19確定例数、および感染拡大状況

◇感染者増加エリア

東ジャワ州、ジャカルタ首都特別州、中部ジャワ州、南部カリマンタン州、南スラウェシ州で大幅に増加し、さらに北マルカ州中央カリマンタン州も増加傾向にあります。
・Bali Post(以下インドネシア語・6/30付):COVID-19政府広報担当のストリーミング会見
・Bali Post(6/29付):COVID-19政府広報担当のストリーミング会見
特に東ジャワ州スラバヤでは連日300人単位で増え続けています。
事態を重くみたジョコウィ大統領は、6/26(金)スラバヤ州政府に「2週間以内に症例数を減らすよう」指示しました。さらに「新常態(ニューノーマル)へ移行するには前提条件の伝送率1以下をクリアしなければならない。政策は科学データに基づくべきであり、専門家のアドバイスを受けるよう要求」とも。
・Bali Post(6/26付):ビデオ:ジョコウィ大統領、東ジャワでのCOVID-19処理目標を設定
※注:計算方法の詳細は不明です。
これを受けて…だかわかりませんが、翌6/27(土)「スラバヤ、綿棒検査で陰性だった150人の患者を退院させる」という記事が出ました。
・Bali Post(6/27付):ビデオ:何百人もの患者が退院
一気に150人?!う、うん、たまたまですよね?元気になったから退院させたんですよね?全員の陰性が確認できたんですもんね。えぇ、ツッコミませんよ。ただ「そういう記事があった」という事実を書いているだけです。

←↑半月も空いちゃいましたが、クリックお願いします

◆バリ州の感染状況

バリ州の感染状況は、州政府の分布データで確認できます。
・Pemerintah Provinsi Bali(インドネシア語):Peta Penyebaran COVID-19
バリ州「Pemerintah Provinsi Bali(バリ州政府) Peta Penyebaran COVID-19」Memo Bali
Peta Penyebaran COVID-19画面のパソコン画面
↑画像をクリックすると表示できます

6/30(火)時点で、バリ州陽性患者数は1,493人。あっけなく千人を超えました。
陽性患者数のうち、治癒者数は798人(治癒率53.45%)、死亡者数14人(死亡率0.94%)。
半月前のブログから死亡者が8人増えました。

◇新規感染者、大幅増加中

バリ州でも新たな感染者が、連日増え続けています。
日別の増加数は、6/16(火)22人、6/17(水)47人、6/18(木)66人、6/19(金)81人、6/20(土)37人、6/21(日)32人、6/22(月)35人、6/23(火)36人、6/24(水)42人、6/25(木)56人、6/26(金)49人、6/27(土)106人、6/28(日)45人、6/29(月)30人、6/30(火)49人
2桁を太字にしたら、見事に全日!6/27(土)は初の3桁を記録し、増加率で国内5位に浮上(下落)しました。

◇感染者増加エリア

バリ州COVID-19タスクフォース担当によると、島内での新たな伝送経路の多くは地域感染です。
・Bali Post(6/28付):COVID-19陽性の追加は45件、すべて地域感染
・Bali Post(6/26付):今日新しいCOVID-19陽性ケースはすべて地域感染
デンパサール市がもっとも多く、次いでクルンクン県、カランガッサム県、バドゥン県。さらにタバナン県、バンリ県、ギャニャール県と続きます。
・Bali Post(6/27付):COVID-19陽性の新しいケースが106人に達し、そのうち3県
▽デンパサール市
引き続き、市場の物売り(商人・販売員)と医療関係者からの地域感染が目立ちます。
特にクンバサリ市場の物売り33人の陽性が確認されたことにより、北デンパサールのウブン市場、南デンパサールのプモガンにあるウィンドゥボガ市場、西デンパサールのパダンサンビアン市場、東デンパサールのスメルタにあるクタピアン市場などで、物売りを中心に警備員や駐車係まで迅速検体検査(ラピッドテスト)を実施。その後も各市場にタスクフォースを設置し、教育と監視が行われています。
・Bali Post(6/20付):ウブン伝統市場の数十人の物売りとマネージャー、駐車係が迅速テストを実施
・Bali Post(6/27付):COVID-19を予測し、ウィンドゥボガ市場で実施された迅速テスト
・Bali Post(6/27付):伝統的な市場クラスターの防止、ターゲットを絞った市場の教育
・Bali Post(6/26付):パダンサンビアン市場の286人のトレーダーが迅速テストと綿棒テストを実施
病院での院内感染、その家族へのローカル感染も続いています。後述しますが、ワンガヤ病院ではインフラメンテナンス従業員が亡くなりました。
新規症例では、西デンパサールのプメチュタンカジャ地区スランガン島で多くの感染が発覚しています。
・Bali Post(6/26付):これら2つの市域がデンパサールにおけるCOVID-19陽性の新規症例の40%
デンパサール市は、6/23(火)までに11,572人にラピッドテストを実施し、反応のあった1,547人にPCR法綿棒検査(スワブテスト)を行いました。
この費用はインドネシア中央政府とバリ州政府の支援および市の予算でまかなわれます。キットの調達費はデンパサール市だけで7億4,500万ルピア(1円=Rp129として約577万円)超え。検査を担当する医療従事者の保護用具等は含まれていません。
・Bali Post(6/24付):COVID-19テストのためにデンパサール市政府が発行した予算
▽クルンクン県
クルンクン県も市場の物売りと医療関係者から派生しています。主にガリラン公共市場とクルンクン地域病院です。
・Bali Post(6/27付):クルンクン、31人のCOVID-19陽性を追加、このクラスターは依然として支配的
感染拡大を阻止するため、県知事は6/22(月)~24(水)の3日間ガリラン市場を閉鎖しました。期間中、市場内を消毒し、物売りにはラピッドテストを実施。陰性結果を持たなければ再開後に販売させない対策をとっています。
・Bali Post(6/19付):COVID-19の感染拡大、ガリラン公共市場が一時的に閉鎖
・Bali Post(6/19付):オープンすると、物売りの条件はこのようにガリラン市場で売ることができる
ガリラン市場で販売する、隣県ギャニャールとカランガッサム在住の物売りと納品業者にも地域感染が起きています。他県へ飛び火
・Bali Post(6/27付):クルンクン、31人のCOVID-19陽性を追加、このクラスターは依然として支配的
・Bali Post(6/25付):クルンクンのCOVID-19の数十の陽性を追加、ここがクラスター
さらなる蔓延を防ぐため、クルンクン県議会では県内にあるすべての市場関係者に迅速テストを行う案が出ています。ラピッドテストで2回反応はあった場合、スワブテストを実施するとのことです。
・Bali Post(6/27付):迅速テストをすべての市場に拡大
クルンクン県での症例急増は「検査を拡大したため」との説明です。
無症状の患者が多いものの、病院と検疫ホテルは収容能力を超えかけています。隔離室は高齢者と先天性疾患のある人に優先され、残りはホテルや他県等へ割り振られる予定です。
また、新たに看護師が1人感染しました。
・Bali Post(6/25付):クルンクンのCOVID-19の数十の陽性を追加、ここがクラスター
クルンクン地域病院は25人の治療費として総額8億4,000万ルピア(約650万円)を中央政府に請求しました。しかし厳しいプロセスにより検証が完了せず、現時点で1人分の5,200万ルピア(約40万円)のみ承認済です。
病院にお金が必要なため、センター(州政府?保険局?)から請求額の50%を前払いされることになりました。
・Bali Post(6/25付):クルンクン地域病院はCOVID-19の患者25人を申請
▽カランガッサム県
カランガッサム県は6月上旬に感染が落ち着き、治癒者が多くみられましたが、中旬にバグバグ村で国外労働者(PMI/Pekerja Migran Indonesia)による感染が発覚し、続いてパダンバイ地区で地域感染が始まりました。
・Bali Post(6/15付):ふたたびバグバグ村から移民のCOVID-19陽性確認
・Bali Post(6/21付):カランガッサムのCOVID-19陽性がふたたび増加
クルンクン県ガリラン市場から飛び火し、シドゥメン村クルタブアナ地区チェゲハムレットでは15人の感染を確認。14日間の強制隔離(Karantina)が行われています。
342世帯1,065人が一切外出禁止。家族の数に応じて、米・油・麺・砂糖などが配られました。子供がいる家庭には牛乳やお菓子なども検討中です。
・Bali Post(6/27付):ガリラン市場のクラスター、チェゲハムレットがこのために14日間隔離
フサダクブクリニックでは診療員5人の感染が確認されたため、プライベート診療を含め、14日間休業になりました。濃厚接触者の追跡を実施し、検査を行う予定です。
・Bali Post(6/28付):カランガッサムのディスクが閉鎖されたため、フサダクブクリニックは一時閉鎖
▽その他の県
バンドゥン県ではウェルディブワナ地区が最も多く、ジンバラン、ダルン、ティブブネンなどが続きます。
シャッター街でゴーストタウン化してるクタ、レギャン、スミニャック、ウンガサン、ベノアなどの陽性確定は1~2人程度です。
・Bali Post(6/26付):バドゥンがCOVID-19の11陽性を追加、このクラスターは引き続きケースを追加
バンリ県ではアブアンの医療従事者からの局所感染が見られます。6/27(土)8人が追加されました。
・Bali Post(6/27付):8つのCOVID-19陽性を追加、アブアンには依然としてほとんどのケースが含まれる
ギャニャール県ではガネーシャ病院で医師・看護師・清掃員・助産婦の累積18人が罹患(うち7人治癒)。建物店の従業員も感染が広がっています。
・Bali Post(6/25付):ギャニャールはCOVID-19陽性ケースを10追加、ここにクラスター
・Bali Post(6/24付):COVID-19陽性のガネーシャ病院クラスターの数

◇死亡者

バリ州保険局から新たに「感染死亡症例」と認定された8人は以下の通りです。
▽再掲:6/9、デンパサール市クシマン、37歳
前回のブログで[未認定]でしたが、後日認定されました。
6/9(火)デンパサール市クシマンに住む37歳男性が、ワンガヤ病院で死亡しました。
東デンパサールヘルセンターから病状悪化で転院。6/4(木)と6/8(月)にスワブテストを行い、結果は陽性でした。6/9(火)に帰宅を強く望んで器具を外すこともありましたが、説得して隔離室で治療を続行したものの亡くなりました。糖尿病を患っていたそうです。
遺体はタスクフォースチームにより即火葬、居住周辺エリアは消毒剤がまかれました。
・BaliPost(6/10付):クシマン プティランの1人がCOVID-19陽性で死亡
・BaliPost(6/10付):COVID-19陽性で死亡したクシマン プティランの病人の履歴
▽6/20、デンパサール市パダンサンビアンクロッド、61歳
6/20(土)デンパサール市パダンサンビアンクロッド在住の61歳女性が亡くなりました。
もともと心臓病と高血圧を患っていたようです。
バドゥン市場でチャナン(お供えもの)を販売する物売りでした。
・Bali Post(6/20付):COVID-19陽性患者がデンパサールで死亡、疾患の病歴が明らかに
この女性の陽性が確定した時点で、家族である夫・子供・孫など9人がスワブテストを受け、別宅に住む娘の感染が発覚。
追跡検査で娘の夫、義理の両親など総勢50人が隔離され、ラピッドテストを受けました。
・Bali Post(6/18付):COVID-19陽性、役員がピックアップしたパダンサンビアンクロッドの感染家族
▽6/20、デンパサール市ダンギンプリ、46歳
6/20(土)デンパサール市ダンギンプリに住む46歳女性がサンラー病院で死亡しました。
6/12(金)に入院。先天性の腎疾患があり、定期的に透析をうけていました。
ワンガヤ病院のインフラメンテナンス従業員でした。
・Bali Post(6/22付):保険局責任者はCOVID-19患者が死亡したことを確認。これは疾患の病歴
・Bali Post(6/21付):COVID-19陽性で2人が死亡、治癒増加
・Bali Post(6/21付):ワンガヤ病院の従業員からチャナン商人まで2日以内に死亡したと報告されるCOVID-19
▽6/20、デンパサール市ダウプリカンギン、50歳
6/20(土)デンパサール市ダウプリカンギン在住の50歳男性がワンガヤ病院で亡くなりました。
6/17(水)に入院し、6/19(金)にスワブテストで陽性確定。熱・咳・喉の痛み・身体のこわばり等で容態が悪化しました。心臓病と腎臓と糖尿病の病歴。
貨物運送業者で、クルンクン県の局所感染ゲルゲル地区の住民と接触があったとみられています。故郷のクルンクンに埋葬されました。
この男性の死亡により、デンパサール市ダウプリカンギンのバンジャールティティの住民32人がスワブテストを受け、14日間の自主隔離(Isolasi)されました。
・Bali Post(6/23付):綿棒テストでバンジャールティティに住む32人の住民、2つの集団が隔離
▽6/20、デンパサール市ダンギンプリ、49歳
6/20(土)デンパサール市ダンギンプリに住む49歳男性が亡くなりました。
高血圧の持病があったようです。
・Bali Post(6/25付):デンパサールでのCOVID-19患者の死亡例が再び増加、これは病歴と起源
▽6/25、デンパサール市プモガン、53歳
6/25(木)デンパサール市プモガン在住の53歳主婦がウダヤナ大学病院で亡くなりました。
肺感染症の病歴があり、6/23(火)に入院し、24(水)にスワブテストを受けて、結果が出る前に死亡。
遺体はサンラー病院へ運ばれ、陽性確定後、埋葬されました。
・Bali Post(6/28付):デンパサールがCOVID-19陽性患者の1人を死亡に追加
▽6/25、ギャニャール県ブラバトゥ、46歳
6/25(木)ギャニャール県ブラバトゥ在住の46歳女性が亡くなりました。
6/21(土)に体調不良を訴え、カシイブサバ病院で診察。発熱・胸痛・下痢の症状を訴えたため、その夜は緊急治療を受けました。翌日ウダヤナ大学病院へ転院。
死後、スワブテストの結果から陽性が判明し、遺体は健康プロトコルに従って処置されました。
・Bali Post(6/25付):ギャニャールは陽性死亡患者を記録し、COVID-19プロトコルに従った埋葬
▽6/30、デンパサール市、54歳
6/30(火)デンパサール市クシマンに住む54歳女性がサンラー病院で死亡しました。
もともと肺疾患があり、6/9(火)に息切れを訴えて入院。
ジュンブラナ県出身、バリ州の公務員でした。
・Bali Post(6/30付):デンパサール、COVID-19患者の死亡を追加

◆バリ州のウイルス対策費と反応

インドネシア中央政府やバリ州政府は、経済が停滞して税収が見込めない中、コロナウイルス関連の検査や保護具などで臨時歳出が続いています。

◇検査費用の出費と削減

州知事は「ラピッドテストとスワブテストだけで1日あたり約13億ルピア(約1千万円!)に達する」と明らかにしました。ングラライ空港、ギリマヌク港、パダンバイ港、さらに市中感染エリアでの実施費用です。
輸送員を含む入域者や物売りだけでなく、検査員、監視にあたる警察官、軍隊なども定期的な検査を受けています。最大24時間(8時間×3交代)稼働する人件費や保護用具および防護服代は含まれていません。
・Bali Post(6/21付):1日当たり数十億ルピアを費やすとされている迅速検査とPCR綿棒、これが計算
▽ギリマヌク港の検査を有料化
SNS(facebook/Twitter)に記載しましたが、ギリマヌク港は6/18(木)から物流輸送車の乗員の迅速テストを有料化しました。連日1,500人分×1人につきRp135,000=最大2億ルピア(約156万円)の経費。
この措置がいつまで続くかわからず州の負担が大きいこと、輸送される物資が販売商品であること、を考慮し、運輸企業または仕入れ業者が負担すべきとの主張です。
なお、ギリマヌク港での検査は州からドラッグストア「キミアファーマ」へ引き継がれ、検査費用は1人につき28万ルピア(約2,100円)程度になりました。
・BaliPost(6/17付):物流車両の迅速テストはもはや無料ではない
・BaliPost(6/19):ギリマヌクで独立した迅速テスト
これを受けて、ドライバーは猛抗議。ストライキを起こす構えを見せました。
州知事は毅然とした態度で「もし彼らが米を送らないならそれは問題ない。バリ島には米がたくさんあるから」と返答しています。
・BaliPost(6/19付):輸送物流ドライバーは迅速テスト代を支払わなければならないため、ストライキを行うと脅迫。コスター知事の反応
後日ジュンブラナ県の警察長官が調整し、ジュンブラナ県政府役員と東ジャワ州バニュワンギのケタパン港支部マネージャーとバニュワンギ警察副所長が会談。
ギリマヌク港での混雑解消と地域感染抑制のため、バリ州への入域者は乗船前にケタパン港でラピッドテストを行うことになりました。東ジャワ州への入域者はギリマヌク港で実施します。費用は物流輸送車の場合、個人(会社)負担です。
はじめからそうすればいいのに…と思っちゃいましたが、入域制限でラピッドテストの陰性結果が必要なのは各空港とバリ州だけです。東ジャワ州、とばっちり。
・BaliPost(6/21付):ギリマヌクでの交通渋滞を解消、ケタパンで迅速テストを実施
ギリマヌク港のあるジュンブラナ県では、ジュンブラナKTPを持つ住民(学生含む)のみ県が負担し、引き続き無料です。
ブレレン県のドライバーは県議会に「費用が高すぎる」と直訴しました。検査費や関税を抜くと手取り10万ルピア(約780円)になっちゃうんですって。
・BaliPost(6/18付):ジュンブラナは物流車両の迅速テストを無料化
・BaliPost(6/22付):迅速テストレートが350,000ルピアに達するというブレレンドライバーの反対

◇隔離費用の出費

国外労働者(PMI)とクルーズ船の乗組員(ABK/Anak Buah Kapal)の本国帰還による14日間の隔離ホテル代等は各県が負担しています。1人につき1泊3食付きで20~25万ルピア(約1,500~2,000円)、14日間で300万ルピア(約2.3万円)程度×人数分です。
各県は公共事業の中止や縮小、アートフェスティバルなどのイベントの中止、スポーツ事業の奨励金の返金、公務員の給与減額などで調整しています。
しかし、そもそも財政に余裕がない県は調整に苦慮。ブレレン県では5月中旬時点で処理予算を確保できないとぼやきました。
・Bali Post(5/17付):ブレレン県政府はCOVID-19の取り扱いの予算を確保できない
「税収がないなら公費を使わないで個人負担させれば?」と思いますよね?
それじゃ、やらないからだよぉぉぉーーーー!
当初PMIやABKには自主的な隔離を促しました。しかし、外貨を持ち込んだ若者たち(一部は給与を受け取れずに身ひとつで帰還)は元気に島内を動き回り、感染を拡大させました。慌てた州政府は各県に要請して、がっちり確保。それでも警備の目を盗んで出歩くバカ方がいたようです。

◇意外(?)な税収

市場の物売りは、無料受診にもかかわらず「陽性が確定して隔離されるのがイヤ」「近隣からの差別に耐えられない」と検査拒否する人まで。
陰性でも「市場での感染が公言されたことで訪問者が減って売り上げ半減」と文句を言いだす始末です。どんだけーーー。
・Bali Post(6/23付):これらの制約次項、要人と市場担当者によるCOVID-19阻止
▽市場からの税収
「いっそ市場を14日間閉めちゃえば?」と言いたくなりますが、バリ州産業貿易局の責任者は「市場は人々の基本的なニーズを満たす場所につき閉鎖できない」と述べています。たしかに一般的なバリ人(特に主婦)にとってスーパーやコンビニより身近で頻繁に通うところですよね。
ただ「蔓延リスクがそもそも高い場所。買い手は自由に動き回り、売り手と密接な相互関係になる」と認めています。特に朝4~7時は主婦だけでなく、ワルン用の買い込みなどで買い手が集中する時間です。
よって、入場前に手洗いや消毒、検温を行い、物売り同士が1.5m以上離れるよう、また、客とも少なくとも1mは距離をおくよう注意を促しています。市場によっては営業時間を制限したり、透明の仕切りを設置したり、物売りの出勤を交代制にしたり。
・Bali Post(6/25付):多くの市場がCOVID-19のクラスターになり、基本食料の可用性はまだ影響を受けていない
・Bali Post(6/19付):伝統的な市場におけるCOVID-19の高い感染に対応するため、マネージャーはタスクフォースの形を提案
大前提は、上記に書いたとおり、市民の基本的ニーズを満たすためですが、別の側面は税収に関わるからです。
たとえばタバナン県では1日営業するごとに、店舗の物売りはRp4,000、屋台はRp3,000、市場はRp2,000ずつ課税しています。日ごと×物売りの数×市場の数で、年間60億ルピア(約4,650万円)!現在38億ルピア(約3,000万円)を見込んでいます。
・Bali Post(6/22付):理事会、市場への徴収を後押し
・Bali Post(6/17付):パンデミックの影響、タバナンの市場報酬は目標の50%減
タバナンでさえこの額なので(失礼)、大きな市場が多いデンパサール市は例年かなりの税収だったんじゃないかと。コロナ禍による減収は半端なく、相当な痛手を受けたとみられます。日々の課税とは別に、年払いでライセンス料(=場所代)も納めています。
クタビーチの物売りも同じ仕組みです。毎日1万ルピア以上徴収されています(最近行ってないのでいくらか知らないけども)。これにより観光客からいくらクレームが出ようと、県や村は彼らを排除できません。
あまりバラすと怒られそう…いや、記事に書いてありますからね。
一時期 路上で軽トラック等による野菜や果物の販売が目立ちましたが、一斉に撤収させられました。彼らは無許可で場所代や営業税を払わないからです。今も隙をみて売ってますけど。いたちごっこですね。
・Bali Post(6/11付):警察がターミナルのトラック売りを規制
・Bali Post(6/4付):これらの理由により、ギャニャールは無許可の近代的な店舗の管理が行われていません
▽駐車・駐輪代による税収
各地の駐車・駐輪代の徴収も委託しているものの、最終的には税金になります。
観光客や地元民の外出が減った結果、タバナン県では年間70億ルピア(約5,400万円)あったものが、現在は43億ルピア(約3,300万円)に大幅減。タバナンの観光地は入場料も駐車代も高いですもんね。
デンパサール市ではひと月で10億ルピア(810万円!)が、4月時点で半額ですって。すっげーな…
・Bali Post(6/25付):タバナンは駐車報復目標を削減、これが理由
・Bali Post(5/20付):デンパサール市の駐車収入

◇医療従事者に報奨金

インドネシア中央政府は、最前線で戦う医療従事者にインセンティブ(報奨金)を与えるよう促しました。
これを受けて、バリ州保険局長は「中央政府が提案する医療従事者に加え、非医療従事者である救急車の運転手、清掃サービス員、ランドリースタッフ、追跡員などコロナウイルスに関与するすべての人に、感謝の気持ちを込めて支払う」と明言しています。
報奨金は1ヶ月につき最大で、専門医師は1,500万ルピア(約11万円)、一般開業医は1,000万ルピア(約7.7万円)、看護師と助産師が750万(約5.8万円)、検査室・分析者は500万ルピア(約3.8万円)、非医療従事者は250万(約1.9万円)。3ヶ月分が予定されています。
・Bali Post(6/24付):地域予算からのインセンティブの支払い、すべての日を数える
・Bali Post(6/22付):評議会、クルンクンの医療従事者へのインセンティブの実現を急ぐ
・Bali Post(6/15付):他の地域と比較して、バドゥン副県知事はより早く援助を実行するよう呼びかけた
医療関係者の皆さまには本当に頭が下がりますm(_ _)m
報奨金が明確化されて、医療従事者の頑張りに拍車がかかっています。追跡を増やし、ラピッドテストを大々的に実施。おかげで無症状患者もたくさん見つかっています。
・Bali Post(6/19付):COVID-19症例の増加が無症状患者に支配されるのはなぜ?これが答え
医療従事者が頑張る→無症状患者が見つかる→感謝の報奨金が出る→医療従事者が頑張る→無症状患者が見つかる→感謝の報奨金が出る…
何を言わんや(行間を読んでくださいw)。えぇ、いろんな噂を耳にします。ただ「そういう記事があった」という事実を書いているだけです。
こんな記事もありました。
「SNSによると、バリ島内の感染者データが流出した疑い、280万ルピア(約2万円)で販売」ですって。
バリ州保険局長は「当事者にも送信したことはない。誰が何のためにほしいのか?データをどうしたいのか?漏洩はない」と否定しました。
・Bali Post(6/22付):COVID-19リークの疑いがあるバリ島患者のデータ、そのように処理しますか?
そんなこんで、インドネシアは「新常態(ニューノーマル)」に進むYO\(^o^)/
SNS(facebook/Twitter)に書いたとおり、バリ州は7/9(木)からの予定だYO\(^o^)/
では、ごきげんよう。

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