先日ご紹介したウルン・ダヌ・ブラタン寺院にほど近い、緑が生い茂る道沿いに、突如「Coffee break」だかそんなキャッチコピーが書かれたデカイ看板がバーン!バーン!と並ぶ地帯があります。!を多用したくなるほど唐突な看板たちなんですよ。
掲げてるのは「バトゥリティ アグロ ツーリズム」。世界一高価なコーヒーと名高いコピルアックの簡易製造過程を見学後、試飲や購入ができるショップです。
インドネシア語で、コピ(Kopi)はコーヒー、ルアック(Luwak)はジャコウネコを指します=ルアックの糞から採れる未消化のコーヒー豆。その希少性から世界的に高値が付いています。どのぐらい高額かっつーと・・・あーた、聞いてびっくり。リッツカールトン東京のロビーラウンジ&バーでは1杯5,500円だか7,000円ですってよ(サイトにお値段記載されてません)。もうどうすりゃいいのさ。どうしようもないけれど。
映画「かもめ食堂」でも取り上げられたので、ご存じのコーヒー好きさんも多いですよね。
「バトゥリティ アグロ ツーリズム」の駐車場に車を停めて(さすがにこの山道をバイクで来るのはスタッフぐらい)「ENTER」とちっさく書かれた看板を右手に進むと、入口があります。
入口手前にスタッフがいるので誘導してくれるはず。
なだらかな坂と階段の道を下に進みながら、敷地内に植えてある木々を説明してくれます。
これはアラビカコーヒーの木。豆はいずこ?
こちらはカカオの木。
バニラの木。
道幅が狭く、木とめっちゃ近いので、名前カードを写すと上の枝や実が画面に入りきりませんでした(そっちが重要よねw)
バリコーヒーの木。
ロブスタコーヒーの木。
枝に赤く点在してるのがコーヒー豆たちです。へー、こうやって生るんですねぇ。
ルアックは雑食ですが、コーヒー豆は熟れたものしか食べず、特に赤が好物だそうです(黒もたまに食べる)。その選び抜かれたおいしい豆が胃の中で発酵し、適度に酸味が抜けてまろやかになり、排泄されるんですって。せっかく選んで食べてるのに丸々出しちゃうなんてねぇ。お気の毒さま。
それらを採って(拾って?)、乾燥させたものがこちら。
うほっ、ルアックさんのウンチョスが付いたままです。でも排泄物の匂いはしません。
各豆別に乾燥させたものも置いてあります。
・・・オブツが付いてないという以外、豆の違いがわからない私。できれば違いのわかる男になりたいです。ダバダ~。いや、女だし!
一粒一粒丁寧に洗って糞を落としてから、火で炒ります。
さらに木臼を使ってすりつぶしていきます。
説明員のおねえさんが実演してくださるおばさまに「このお客さん、バリ人だけど説明してあげて」と小声で言ってたのを聞き逃さなかったですわよ!日本人です・・・。てかさっきからずっと日本語しゃべってんじゃん。お約束のパターンですな。
写真がボケちゃってるけど、カカオを割ったもの。
ほかにも敷地内で採れるナツメグやバニラも分けておいてありました。
当のルアックさんはこちら。夜行性なので寝てます。全然こっちを見てくれません。
ここではオスとメスのつがいで小さい檻の中に入れられてますが、ヌガラに広大な農園と飼育施設があり、何十匹(何百匹?)ものルアックが半放し飼いにされているそうです。自然に近い状態のため、豆を拾うのが至難の業なんですって。
実はこのバトゥリティも実演販売するための支店で、本店はシンガパドゥにあるそう。シンガパドゥのほうが断然近いやん!サヌールとウブドの間、バリバードパークがあるあたりです。そういえば道の両脇にいくつか看板出てたわ。ちっ、遠征してきたのにな。
ひと通りの説明が終わると、階下にある絶景が望めるガゼボ(東屋)エリアで休憩タイム。
ガゼボはいくつかあるため客同士が重ならず、ゆっくり飲める造りになっています(繁忙期は相席かも)。
席からの、美しい田んぼビューーーー。
ショップで販売されているバリコーヒーや紅茶を無料でいただけます。ただし、コピルアックはフリーサービス外。
上段の左から、バターコーヒー(だった気がする)、ホットチョコレート、バリコーヒー、ジンジャーコーヒー。下段がレモンティ、ジンジャーティ、レモングラスティ。
バリコーヒーとホットチョコレート以外、ローカル仕様の激甘で味がわからず(爆)いや、でもいろいろ楽しめてありがたいです。甘いけど。甘いけどな。
ピサンゴレン(バナナフリッター)も無料提供してくれます。シナモンかかっててウマイぞ。
ビンがテーブルにおいてあって、おかわりも自由と言ってたような。そんな大量に飲めないっす。
「あれもこれもタダだとお客さんが恐縮しちゃうんじゃない?」と聞いたところ、試飲して気に入ったら買ってくれるし、買わずにチップを置いていく欧米人もいるそう。でも基本は店側が好きで出してるのでお金はいらないとのこと。見学も無料です。そんなこと言われたら、何か買わずにいられないじゃな~い。
家人が「せっかくなのでコピルアックを飲みたい」というのでオーダーしてみました。
テーブルの右側に置かれた超ぉぉ素敵なサイフォンで落としてくれます。テーブルは簡易なのにねぇ。
時間をかけて丁寧に抽出されたルアックコーヒー。1杯Rp50,000也(1円=Rp102として490円。以下同)。リッツカールトンに比べたら激安でんなぁ。バリの物価にしては高級だけども。
すでにお腹タポタポなので、2人で1杯。払えるもん!払えるけど1杯で十分だもん!
苦みの中に、まろやかさとコクと深みがあり、口の中でふわ~と広がります。バリコピと飲み比べれば、その酸味の少なさを実感できます。美しい景色と、心地よい風も加わって、五感すべてで味わってる気さえしてきました。六感も、かも。言葉にできないほどおいすぃぃぃ~・・・。
たびたび現実世界に引き戻されるのがハエ。自然が多いので仕方ないですね。
お支払いは上階のショップで。
大小さまざまなルアックコーヒーのほか、カカオたっぷりのチョコレートや椰子砂糖も買えます。
あてくし、200gでRp700,000(約6,860円!)もする大袋を買ってしまいましたー。まんまとお店の戦略にハマってまんなw
家で飲むと景色もサイフォンもないので、おいしいっちゃーおいしいけど、正直普通の味。
あの場所で飲んだ1杯は本当に忘れられません。行く機会があれば、ここでお飲みになることを激しくおすすめします。
「滞在エリアから遠くて行けなーい」てな方は、アノマリコーヒーがよろしいかと。
クロボカンとウブドに支店があります。
アノマリでは1袋100g入でRp300,000(約2941円)でございます。通常JCBカードで払うと20%OFFになりますが、ルアックは割引対象外です。
バリ島内のあちこちのスーパーでも安価なルアックコーヒーが売られていますが、買った友達いわく「ウンコくさっ!カビくさっ!」とのこと。もちろんメーカーや在庫期間にもよると思いますが。お気を付けあれ。
- 店名
- Baturiti Natural Agro Turism (バトゥリティ ナチュラル アグロ ツーリズム)
- URL
- なし
- 料理ジャンル
- コーヒー・紅茶の実演販売
- 税金・サービス
- なし
- カード
- 使用可
- 所在地
- Jl.Raya Baturiti Br.Baturiti Kaja Tabanan Bali
- 電話番号
- +62-877-6154-3939/+62-0813-3872-705(海外から)
0877-6154-3939/0813-3872-705(バリ島内) - 店休日
- なし(ニュピのみ)
- 営業時間
- 未確認