
お盆休みで渡航中の方も多いかと。
バリ島行ってもわざわざ北部なんか行かねーYO!って声が聞こえてきそうですわね。
わかります、わかります。南部と中部の観光地で事足りますから。足を伸ばして中部バンリ県キンタマーニ高原、東部カランガッサム県ブサキ寺院かルンプヤン寺院、もしくは人気の離島ヌサペニダあたり。
いんや北部行くZE!という物好きな・奇特な・殊勝な方に向けて、あえて「行ったらコレ買え」という2大土産をご紹介します。
甘党にたまらないもち米粉菓子「Dodol(ドドール)」と、ミネラルたっぷりの天然塩「Uyah(ウヤー)」です。
この記事の目次
北部ブレレン県について
北部といっても、いささか広うございまして。
GoogleMap大先生で検索すると、ブレレン県は赤点線で囲まれた部分です。

バリ州内最大の広さと人口を誇ります。
そして赤道に近いので暑い!南部に比べて気温も湿度も高めです。
・バリ州政府(インドネシア語):行政区域-面積と人口
県庁所在地のシンガラジャ市はかつて州都でした。現在も小さな国内専用空港があります。
次期大統領は最北端のクブタンバハン村に新国際空港の建設を検討すると言ってますが、どうなることやら。あくまで検討だしな。
観光地といえば、イルカウォッチングが楽しめるロビナビーチ、ダイビングや温泉で有名なムンジャンガン周辺、あとは大小さまざまな美しい滝スポットがいくつか。
食文化
バリ島は地域によって食文化が若干異なります。
今や島内全域にあるサテリリッ(つくね串)はブレレン発祥。ラワールメラ(豚の血入りココナッツ和え)もブレレンがメイン。
シンガラジャ市の名物といえば、「Siobak(またはSyobak/シオバッ)」でしょう。中華系コミュニティから生まれたと言われる、内臓や皮入りの豚肉料理。醤油ベースの甘辛ソースがかかっています。
「Blayag(ブラヤ)」は、もち米と野菜あえ。ティパットに似てますが、包みが正方形ではなく長方形なのと、黄色いソースがけです。
テジャクラ地区には「Mengguh(ムング―)」と呼ばれる麺入りのお粥があります。地元民は辛くして食べます。辛いお粥って…すすれない。
・JATAYU RENTAL(インドネシア語):知って楽しむ12の本格ブレレン料理
南国フルーツの産地で、王様といわれるドリアン、ヘビ柄模様のサラッ、毛むくじゃらで甘酸っぱいランブータン、トロリと甘いマンゴーなどなど。
ただ果物ってドンピシャ旬じゃないと購入できないのと(ハウス栽培はほぼない)、検疫に引っかかるため国外持ち出しが難しい。なのでお土産にしくいんですよねぇ。
アラック(椰子酒)、マドゥ(天然蜂蜜)も人気。
蜂蜜は養蜂場によって味がまったく異なります。蜂なのか花の種類なのか。甘さが濃いものから、酸味が強いものまで。正直当たり外れがすごいです。
北部ブレレン2大土産
国外持ち出し可能で、喜ばれるお土産といえば、お菓子と塩ですよ、奥さん!
ただ、これもまさかのシーズンがあります。買えなかったら諦めてください(笑)
もち米粉菓子「ドドール」

こちらが「Dodol(ドドール)」です。
あー、見たことある!南部や中部、なんならインドネシア全土のパサール(市場)やワルン(雑貨屋)で売ってるじゃん!と思ったあなた。
ブレレン県のは風味、特に濃さと甘さが違いますのよ。ダルン地区で買って「え?別物?」と思いましたもん。たとえるなら、羊羹とういろうぐらいの差。好みはあると思いますが、北部のほうが断然濃厚です。

基本の材料は、テプンクタン(もち米粉)、グラメラ(椰子砂糖)、サンタン(ココナッツミルク)。それに塩少々。
他の地域では椰子砂糖が少なめで、グラニュー糖を使うことが多く、風味に差が出るんだとか。聞いたら食べるのを躊躇するぐらいの量が入ってます。
大きな鍋で煮たてて、棒でグルグルとかき混ぜながらゆっくり煮詰めていきます。これがかなりの重労働だそうな。
ある程度の水分が飛んだら、トウモロコシの葉に包んで、左右を紐で縛ります。キャンディみたいで可愛いですよね。
1本のサイズはやや太めの親指ぐらい。

食べるときは、まず両方の手の平で1本を挟んでしごきます。竹とんぼの要領(飛ばすなよ)。そして、片側の紐と取って、バナナのように皮をむきます。
先にしごかないと、皮にべったり付着。
紐の色は中身の色と連動しています。
黒はインジン(黒米)、緑はパンダン(香草)、ピンクは着色料。とはいえ、色による味の差はあまり感じられないかな。
食感はもっちり。
出来立ては柔らかく、つきたてのお餅のように伸びます。
日にちが経つと周りが硬くなってポロポロに。バリ人に言わせると、このほうがおいしいんだとか。
ビニール袋などに入れて縛るとカビるし、冷蔵庫に入れると硬くなるので、常温でお皿に載せておくのがベター。1ヶ月ぐらい持つそうです。
ま、その前に食べちゃうけど。
お祭りのお供えものに入れることが多く、ガルンガン~クニンガン、オダラン時期にこぞって作られます。逆にいうとそれ以外のシーズンでは買えません。
徐々に値上がりしてて、先々週は4個Rp5,000(1円=Rp100として約50円)でした。1個Rp1,250(約12.5円)ね。
10万ルピアで80個買ったのに、周りに好きな方が多く、あっという間に手元から無くなりました。ギャニャール県バトゥアン村の踊りの先生はガルンガン時期に娘さんの友達からまとめ買いしてるそう。バリ人の中でもファンが多いです。
ブレレン県全域で売られています。タイミングの合う方は次のガルンガン(’24.9/25)かクニンガン(10/5)あたりにパサールなどを覗いてみてくださいね。
製造者によって味が多少異なるので、1本試し買いしてからが良いと思います。
おまけ:もち米粉菓子「チュロロ」

さらに地域限定で、テジャクラ地区パチュン村で買える「Cerorot(チュロロ)」というお菓子があります。
テジャクラ唯一の大きなガソリンスタンド(Pertamina)の道沿いに、パラソルとテーブルを出して並んでます。
味はまさに ういろう。
ドドールよりもツヤがあって、とろりねっとり。甘さ控えめ。
米粉、椰子砂糖、ココナッツミルクに、タピオカを加えて、蒸して作るそうな。椰子の葉でグルグル包まれています。むきながら食べます。
1本Rp5,000(約50円)。
ドドールに比べて2回り以上大きめ。
義母や義姉は喜んで食べてますが、あてくしはドドール派です。
天然塩「ウヤー」

こちらが「Uyah(ウヤー)」です。
塩はインドネシア語でGaram(ガラム)、バリ語がUyah(ウヤー)。
バリ島の天然塩といえば、東部クルンクン・クサンバ地区の「Uyah Kusamba(ウヤークサンバ)」が、JIPPNAS(インドネシア共和国国家設備強化・官僚改革省の国家公共サービスイノベーションネットワーク)に登録・保護されて有名ですよね。製塩農家は適切に管理されはじめ、輸出も好調なようです。
・JIPPNAS(インドネシア語):クサンバの塩
・Bali Post:天然塩ウヤクサンバが輸入市場に参入
実はテジャクラ地区も昔から製塩がさかん。近年、州政府が製塩所を建てて、塩づくりに参加してきました。

テジャクラの塩は、粒がかなり粗目。
味はしょっぱさの中に、天然の甘みがほんのりあり。
煮物に使うと抜群においしいです。漬物作りにも合うそうな。
値段は1kgでRp10,000~25,000(約100~250円)程度。
安いのだと濾されておらず、海のゴミや小石が入っています。
高くなるほど取り除かれてキレイ。
ちなみに写真はRp15,000(約150円)のものです。
雨季は雨で乾きにくくなるため品薄に。値段も多少上がります。
乾季はカラッと乾いた塩が手に入ります。
買ってから長期間置いておくと水分が出てベチャ―としてきます。フライパンで乾煎りすると良い具合に戻ります。
まわりにファンが多く、帰省のたびに数kgずつ買っていたら「何にそんなに塩使うの?」と聞かれました。いや、自分で全部は使わんよ。高血圧になるわ。
北部へ行く機会があれば、ぜひGETしてみてくださいね。
では、ごきげんよう。